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弁理士 特許・実用新案 R1-11

 

 特許権及び実施権に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙に通常実施権を許諾した後は、丙に専用実施権を設定することはできない。
  2. 甲が自己の特許権について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、乙の専用実施権は、実施の事業とともにする場合又は甲の承諾を得た場合に限り移転することができる。
  3. 甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、甲は、当該特許権を侵害している丙に対して差止請求権の行使をすることができない。
  4. 甲が自己の特許権について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、丙に対して、当該特許権についての専用実施権を設定することができる場合はない。
  5. 甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙及び丙に対して、両者の共有とする専用実施権を設定し、その登録がされている場合、乙は、契約で別段の定めをした場合を除き、甲及び丙の同意を得ることなく、その特許発明の実施をすることができる。

解答・解説

解答

 5

解説

  1. 甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙に通常実施権を許諾した後は、丙に専用実施権を設定することはできない。
    ❌ 特77条1項
    特許権者は、その特許権について専用実施権を設定することができる。[特77条1項]

  2. 甲が自己の特許権について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、乙の専用実施権は、実施の事業とともにする場合又は甲の承諾を得た場合に限り移転することができる。
    ❌ 特77条3項
    専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。[特77条3項]

  3. 甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、甲は、当該特許権を侵害している丙に対して差止請求権の行使をすることができない。
    ❌ 特許権侵害差止請求事件


  4. 甲が自己の特許権について、乙に専用実施権を設定し、その登録がされている場合、丙に対して、当該特許権についての専用実施権を設定することができる場合はない。
    ❌ 特77条2項
    専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。[特77条2項]

  5. 甲が自己の特許権の全部の範囲について、乙及び丙に対して、両者の共有とする専用実施権を設定し、その登録がされている場合、乙は、契約で別段の定めをした場合を除き、甲及び丙の同意を得ることなく、その特許発明の実施をすることができる。
    ⭕️ 特77条2項、特77条5項で準用する特73条2項
    専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。[特77条2項]
    第七十三条の規定は、専用実施権に準用する。[特77条5項]
    特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。[特73条2項]

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