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企業経営理論 令和3年度 第32問

 

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 X社では、家電および家具の①サブスクリプション・サービスを開始することを検討している。その際、家具とは異なり家電の利用状況は毎月変動する可能性があるため、家電については利用動向に応じて料金が変動する②ダイナミック・プライシングを導入することを併せて検討している。

(設問 1 )文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1 回千円で飲み放題の居酒屋が、 1 か月 3 千円で飲み放題のサブスクリプション・サービスを提供する例は、鉄道・バスの定期券や新聞・雑誌の定期購読のように利用が常態化しているものとは異なり、居酒屋の選択肢が多い消費者にとってメリットがない。
  2. サブスクリプション・サービスの目的の 1 つは、音楽のストリーミング・サービスに典型的に見られるように、ユーザーの利用データを収集し分析することにあるため、家具のサブスクリプション・サービスを展開する場合には家具に何らかのデジタル機能を付加しなければならない。
  3. サブスクリプション・サービスは、消費者が気軽に製品を試す機会を提供することができる。最短でも 2 か月以上利用しなければならないものが多いが、1 か月だけの利用契約もサブスクリプション・サービスに含まれる。
  4. 従来は販売により利益を得ていた家具や家電、自動車などの耐久消費財を、利用期間を 3 年、 5 年などのように定めた上で提供するサブスクリプション・サービスもある。こうしたサブスクリプション・サービスは提供する側から見ると、どのような場合でも従来のリースよりビジネス上有利であり魅力がある。

(設問 2 )文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. AI による需要予測に基づいて機械的に商品の価格を上下させるシステムを導入した結果、台風襲来によるボトル水の需要急増の兆しを捉えて価格を引き上げてしまい、社会的に非難を浴びた例があった。このことから、現在では生活必需品へのダイナミック・プライシングの導入は禁止されている。
  2. 企業がダイナミック・プライシングを導入するためには、電子商取引のシステムを取り入れ、需要予測、価格変動などの仕組みを自社で構築する必要がある。
  3. 公共交通機関が朝夕の混雑を緩和するためにダイナミック・プライシングを導入し、比較的空いているオフピークの時間帯の価格を下げると、ただでさえ利用者に不満が多いピーク時には相対的に高額な利用料となる。
  4. コンサートやスポーツ・イベントのチケットに関するダイナミック・プライシングでは、購入時期に応じて価格を変動させる例がある。しかし席のエリア別に異なる料金を設定し、かつ売れ行きに応じて価格を変動させるものはダイナミック・プライシングとは呼ばない。

解答・解説

解答

 1:ウ 2:ウ

解説

設問1
  1. 1 回千円で飲み放題の居酒屋が、 1 か月 3 千円で飲み放題のサブスクリプション・サービスを提供する例は、鉄道・バスの定期券や新聞・雑誌の定期購読のように利用が常態化しているものとは異なり、居酒屋の選択肢が多い消費者にとってメリットがない。
    不適切です。

  2. サブスクリプション・サービスの目的の 1 つは、音楽のストリーミング・サービスに典型的に見られるように、ユーザーの利用データを収集し分析することにあるため、家具のサブスクリプション・サービスを展開する場合には家具に何らかのデジタル機能を付加しなければならない。
    不適切です。

  3. サブスクリプション・サービスは、消費者が気軽に製品を試す機会を提供することができる。最短でも 2 か月以上利用しなければならないものが多いが、1 か月だけの利用契約もサブスクリプション・サービスに含まれる。
    適切です。

  4. 従来は販売により利益を得ていた家具や家電、自動車などの耐久消費財を、利用期間を 3 年、 5 年などのように定めた上で提供するサブスクリプション・サービスもある。こうしたサブスクリプション・サービスは提供する側から見ると、どのような場合でも従来のリースよりビジネス上有利であり魅力がある。
    不適切です。

設問2
  1. AI による需要予測に基づいて機械的に商品の価格を上下させるシステムを導入した結果、台風襲来によるボトル水の需要急増の兆しを捉えて価格を引き上げてしまい、社会的に非難を浴びた例があった。このことから、現在では生活必需品へのダイナミック・プライシングの導入は禁止されている。
    不適切です。

  2. 企業がダイナミック・プライシングを導入するためには、電子商取引のシステムを取り入れ、需要予測、価格変動などの仕組みを自社で構築する必要がある。
    不適切です。

  3. 公共交通機関が朝夕の混雑を緩和するためにダイナミック・プライシングを導入し、比較的空いているオフピークの時間帯の価格を下げると、ただでさえ利用者に不満が多いピーク時には相対的に高額な利用料となる。
    適切です。

  4. コンサートやスポーツ・イベントのチケットに関するダイナミック・プライシングでは、購入時期に応じて価格を変動させる例がある。しかし席のエリア別に異なる料金を設定し、かつ売れ行きに応じて価格を変動させるものはダイナミック・プライシングとは呼ばない。
    不適切です。

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