生産物市場の均衡条件は、総需要=総供給である。総需要 AD と総供給 AS が以下のように表されるとき、下記の設問に答えよ。
AD = C + I + G
C = C₀ + (c Y - T)
AS = Y
ここで、C は消費、I は投資、G は政府支出、C₀ は基礎消費、c は限界消費性向(0 < c < 1)、Y は所得、T は租税である。
(設問 1 )
乗数に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 均衡予算乗数は、 1 / 1-c である。
b 政府支出乗数は、 1 / 1-c である。
c 租税乗数は、1 / 1-c である。
d 投資乗数は、 1 / 1-c である。
〔解答群〕
- aとb
- aとc
- bとc
- bとd
- cとd
(設問 2 )
景気の落ち込みを回避するための財政政策の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、景気拡大の効果は政府支出の増加の方が大きい。
b 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、両者の景気拡大の効果は等しい。
c 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなったとしても、政府支出の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少分を上回るので、増加させた政府支出の分だけ景気拡大の効果がある。
d 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなうと、政府支出の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少によって相殺されてしまい、景気拡大の効果はなくなってしまう。
〔解答群〕
- aとc
- aとd
- bとc
- bとd
解答
1:エ 2:ア
解説
設問1
- 均衡予算乗数は、 1 / 1-c である。
不適切です。 - 政府支出乗数は、 1 / 1-c である。
適切です。 - 租税乗数は、1 / 1-c である。
不適切です。 - 投資乗数は、 1 / 1-c である。
適切です。
設問2
- 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、景気拡大の効果は政府支出の増加の方が大きい。
適切です。 - 政府支出の増加額と減税額が同じ規模のとき、両者の景気拡大の効果は等しい。
不適切です。 - 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなったとしても、政府支出の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少分を上回るので、増加させた政府支出の分だけ景気拡大の効果がある。
適切です。 - 政府支出の増加に必要な財源を増税によってまかなうと、政府支出の増加による総需要の拡大効果は増税による総需要の減少によって相殺されてしまい、景気拡大の効果はなくなってしまう。
不適切です。