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基礎科目 令和5年度 Ⅰ-4-6

   

 PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法は,細胞や血液サンプルからDNAを高感度で増幅することができるため,遺伝子診断や微生物検査,動物や植物の系統調査等に用いられている。PCR法は通常,(1)DNAの熱変性,(2)プライマーのアニーリング,(3)伸長反応の3段階からなっている。PCR法に関する記述のうち,最も適切なものはどれか。

① アニーリング温度を上げすぎると,1本鎖DNAに対するプライマーの非特異的なアニーリングが起こりやすくなる。

② 伸長反応の時間は増幅したい配列の長さによって変える必要があり,増幅したい配列が長くなるにつれて伸長反応時間は短くする。

③ PCR法により増幅したDNAには,プライマーの塩基配列は含まれない。

④ 耐熱性の低いDNAポリメラーゼが,PCR法に適している。

⑤ DNAの熱変性では,2本鎖DNAの水素結合を切断して1本鎖DNAに解離させるために加熱を行う。

 

解答・解説

解答

 ⑤

解説

① アニーリング温度を上げすぎると,1本鎖DNAに対するプライマーの非特異的なアニーリングが起こりやすくなる。 ❌
非特異的なアニーリングが起こりやすくなるのは、温度を低くした場合のため、不適切です。

② 伸長反応の時間は増幅したい配列の長さによって変える必要があり,増幅したい配列が長くなるにつれて伸長反応時間は短くする。 ❌
増幅したい配列が長くなるにつれて、伸長反応時間は長くするため、不適切です。

③ PCR法により増幅したDNAには,プライマーの塩基配列は含まれない。 ❌
両端にプライマーの塩基配列が含まれるため、不適切です。

④ 耐熱性の低いDNAポリメラーゼが,PCR法に適している。 ❌
耐熱性の高いDNAポリメラーゼが、PCR法に適しているため、不適切です。

⑤ DNAの熱変性では,2本鎖DNAの水素結合を切断して1本鎖DNAに解離させるために加熱を行う。 ⭕️
適切です。

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