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基礎科目 令和元年度再試験 Ⅰ-4-6

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 組換えDNA技術の進歩はバイオテクノロジーを革命的に変化させ,ある生物のゲノムから目的のDNA断片を取り出して,このDNAを複製し,塩基配列を決め,別の生物に導入して機能させることを可能にした。組換えDNA技術に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

① 組換えDNA技術により,大腸菌によるインスリン合成に成功したのは1990年代後半である。

② ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では,ポリメラーゼが新たに合成した全DNA分子が次回の複製の鋳型となるため,30回の反復増幅過程によって最初の鋳型二本鎖DNAは30倍に複製される。

③ ある遺伝子の翻訳領域が,1つの組織から調製したゲノムライブラリーには存在するのに,その同じ組織からつくったcDNAライブラリーには存在しない場合がある。

④ 6塩基の配列を識別する制限酵素EcoRIでゲノムDNAを切断すると,生じるDNA断片は正確に46塩基対の長さになる。

⑤ DNAの断片はゲル電気泳動によって陰極に向かって移動し,大きさにしたがって分離される。

 

解答・解説

解答

 ③

解説

① 組換えDNA技術により,大腸菌によるインスリン合成に成功したのは1990年代後半である。
大腸菌によるインスリン合成に成功したのは1979年ですので,不適切です。

② ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では,ポリメラーゼが新たに合成した全DNA分子が次回の複製の鋳型となるため,30回の反復増幅過程によって最初の鋳型二本鎖DNAは30倍に複製される。
30回の反復増幅過程で,230に複製されますので,不適切です。

③ ある遺伝子の翻訳領域が,1つの組織から調製したゲノムライブラリーには存在するのに,その同じ組織からつくったcDNAライブラリーには存在しない場合がある。
適切です。

④ 6塩基の配列を識別する制限酵素EcoRIでゲノムDNAを切断すると,生じるDNA断片は正確に46塩基対の長さになる。
DNA断片は同じ長さになるとは限りませんので,不適切です。

⑤ DNAの断片はゲル電気泳動によって陰極に向かって移動し,大きさにしたがって分離される。
陽極に向かって移動しますので,不適切です。

参考情報

過去の出題

 なし

オンラインテキスト

(準備中)