遺伝子組換え技術の開発はバイオテクノロジーを革命的に変化させ,ゲノムから目的の遺伝子を取り出して,直接DNA分子の構造を解析することを可能にした。遺伝子組換え技術に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
① ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では,一連の反応を繰り返すたびに二本鎖DNAを熱によって変性させなければならないので,熱に安定なDNAポリメラーゼを利用する。
② 遺伝子組換え技術により,大腸菌によるインスリン合成に成功したのは1990年代後半である。
③ DNAの断片はゲル電気泳動によって陰極に向かって移動し,大きさにしたがって分離される。
④ 6塩基の配列を識別する制限酵素EcoRIでゲノムDNAを切断すると,生じるDNA断片は正確に46塩基対の長さになる。
⑤ ヒトのゲノムライブラリーの全てのクローンは,肝臓のRNAから作製したcDNAライブラリーの中に見いだされる。
解答
①
解説
① ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)では,一連の反応を繰り返すたびに二本鎖DNAを熱によって変性させなければならないので,熱に安定なDNAポリメラーゼを利用する。
適切です。
② 遺伝子組換え技術により,大腸菌によるインスリン合成に成功したのは1990年代後半である。
1979年に成功しています。
③ DNAの断片はゲル電気泳動によって陰極に向かって移動し,大きさにしたがって分離される。
DNAの断片はゲル電気泳動によって陽極に向かって移動します。
④ 6塩基の配列を識別する制限酵素EcoRIでゲノムDNAを切断すると,生じるDNA断片は正確に46塩基対の長さになる。
生じるDNA断片の長さは一定ではありません。
⑤ ヒトのゲノムライブラリーの全てのクローンは,肝臓のRNAから作製したcDNAライブラリーの中に見いだされる。
肝臓以外の臓器からも作成可能です。
参考情報
過去の出題
なし
オンラインテキスト
(作成中)