資格部

資格・検定の試験情報、対策方法、問題解説などをご紹介

弁理士 商標 R2-5

 

 商標権に係る使用権に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

  1. 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関又は公益に関する団体であって営利を目的としないものの商標登録出願であって、商標法第4条第2項に規定するものに係る商標権は、譲渡することができず、他人に通常使用権を許諾することもできない。
  2. 通常使用権は、その登録をしなければ、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対して、その効力を生じない。
  3. 地域団体商標に係る商標権については、当該商標権に係る通常使用権を許諾することができる。また、当該商標権に係る専用使用権を設定できる場合がある。
  4. 通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有するが、ここにいう登録商標には、その登録商標に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められる商標(いわゆる色違いの商標)も含まれるので、色彩のみからなる登録商標に係る商標権の通常使用権者は、当該通常使用権に基づき当該登録商標の色違いの商標を使用することができる。
  5. 通常使用権は、①商標権者(専用使用権についての通常使用権にあっては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合、②相続その他の一般承継の場合、又は③当該通常使用権者の事業とともにする場合のいずれかに限り、移転することができる。

解答・解説

解答

 2

解説

  1. 国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関又は公益に関する団体であって営利を目的としないものの商標登録出願であって、商標法第4条第2項に規定するものに係る商標権は、譲渡することができず、他人に通常使用権を許諾することもできない。
    ❌ 商24条の2 2項、商31条1項
    国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関又は公益に関する団体であつて営利を目的としないものの商標登録出願であつて、第四条第二項に規定するものに係る商標権は、譲渡することができない。[商24条の2 2項]
    商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。[商31条1項]

  2. 通常使用権は、その登録をしなければ、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対して、その効力を生じない。
    ⭕️ 商31条4項
    通常使用権は、その登録をしたときは、その商標権若しくは専用使用権又はその商標権についての専用使用権をその後に取得した者に対しても、その効力を生ずる。[商31条4項]

  3. 地域団体商標に係る商標権については、当該商標権に係る通常使用権を許諾することができる。また、当該商標権に係る専用使用権を設定できる場合がある。
    ❌ 商31条1項、商30条1項
    商標権者は、その商標権について他人に通常使用権を許諾することができる。[商31条1項]
    商標権者は、その商標権について専用使用権を設定することができる。ただし、第四条第二項に規定する商標登録出願に係る商標権及び地域団体商標に係る商標権については、この限りでない。[商30条1項]

  4. 通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有するが、ここにいう登録商標には、その登録商標に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められる商標(いわゆる色違いの商標)も含まれるので、色彩のみからなる登録商標に係る商標権の通常使用権者は、当該通常使用権に基づき当該登録商標の色違いの商標を使用することができる。
    ❌ 商31条2項、商70条1項・4項
    通常使用権者は、設定行為で定めた範囲内において、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有する。[商31条2項]
    第二十五条、第二十九条、第三十条第二項、第三十一条第二項、第三十一条の二第一項、第三十四条第一項、第三十八条第一項第二号若しくは第三項から第五項まで、第五十条、第五十二条の二第一項、第五十九条第一号、第六十四条、第七十三条又は第七十四条における「登録商標」には、その登録商標に類似する商標であつて、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを含むものとする。
    前三項の規定は、色彩のみからなる登録商標については、適用しない。[商70条1項・4項]

  5. 通常使用権は、①商標権者(専用使用権についての通常使用権にあっては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合、②相続その他の一般承継の場合、又は③当該通常使用権者の事業とともにする場合のいずれかに限り、移転することができる。
    ❌ 商31条3項
    通常使用権は、商標権者(専用使用権についての通常使用権にあつては、商標権者及び専用使用権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。[商31条3項]

前問 一覧 次問