盗品等に関する罪に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。
- Aは,B所有の腕時計を窃取したが,その後,犯行の発覚を恐れ,当該腕時計を自宅で保管していた。この場合において,Aには,窃盗罪に加えて盗品等保管罪が成立する。
- Aは,Bから,BがCから窃取した壺を被害者であるCに買い取らせることを持ちかけられ,当該壺が盗品であることを知りながら,これに応じ,Cと交渉の上,Cに当該壺を買い取らせた。この場合において,Aには,盗品等有償処分あっせん罪が成立する。
- Aは,Bが窃取した宝石であることを知りながら,Bからこれを譲り受け,Cは,当該宝石がBが窃取した盗品であることを知りながら,Aから頼まれて,これを自動車で運搬した。この場合において,AとCとの間に婚姻関係があり,BとCとの間には刑法第 257 条第 1 項所定の関係がないときは,Cには,盗品等運搬罪が成立するが,その刑が免除される。
- 公務員であるAは,その職務に関し,Bが窃取した自動車であることを知りながら,Bからこれを賄賂として無償で収受した。この場合において,Aには,収賄罪と盗品等無償譲受け罪が成立し,両罪は観念的競合の関係に立つ。
- Aは,Bから頼まれて盗品とは知らずに自動車を保管することとし,保管を始めて数か月間が経過した時点で,当該自動車はBが窃取した盗品であると知るに至ったが,Bによる窃盗の犯行の発覚を防ごうと考え,その後もBのためにその保管を継続した。この場合において,Aには,盗品等保管罪は成立しない。
- アウ
- アオ
- イウ
- イエ
- エオ
(参考)
刑法
第 256 条 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は, 3 年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し,保管し,若しくは有償で譲り受け,又はその有償の処分のあっせんをした者は,10 年以下の懲役及び 50 万円以下の罰金に処する。
第 257 条 配偶者との間又は直系血族,同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は,その刑を免除する。
2 (略)
出典:令和3年度 午前の部 第26問
解答
4
解説
- Aは,B所有の腕時計を窃取したが,その後,犯行の発覚を恐れ,当該腕時計を自宅で保管していた。この場合において,Aには,窃盗罪に加えて盗品等保管罪が成立する。 ❌
準備中 - Aは,Bから,BがCから窃取した壺を被害者であるCに買い取らせることを持ちかけられ,当該壺が盗品であることを知りながら,これに応じ,Cと交渉の上,Cに当該壺を買い取らせた。この場合において,Aには,盗品等有償処分あっせん罪が成立する。 ⭕️
準備中 - Aは,Bが窃取した宝石であることを知りながら,Bからこれを譲り受け,Cは,当該宝石がBが窃取した盗品であることを知りながら,Aから頼まれて,これを自動車で運搬した。この場合において,AとCとの間に婚姻関係があり,BとCとの間には刑法第 257 条第 1 項所定の関係がないときは,Cには,盗品等運搬罪が成立するが,その刑が免除される。 ❌
準備中 - 公務員であるAは,その職務に関し,Bが窃取した自動車であることを知りながら,Bからこれを賄賂として無償で収受した。この場合において,Aには,収賄罪と盗品等無償譲受け罪が成立し,両罪は観念的競合の関係に立つ。 ⭕️
準備中 - Aは,Bから頼まれて盗品とは知らずに自動車を保管することとし,保管を始めて数か月間が経過した時点で,当該自動車はBが窃取した盗品であると知るに至ったが,Bによる窃盗の犯行の発覚を防ごうと考え,その後もBのためにその保管を継続した。この場合において,Aには,盗品等保管罪は成立しない。 ❌
準備中