利用者と直接の接点がない情報システムのユーザーインタフェースの検討について
近年,通販サイトやスマートフォンアプリケーションのように,開発者が利用者と直接の接点を持つことが難しい情報システムの開発が増えてきている。
システムアーキテクトは,このような情報システムの開発に当たり,利用者に直接確認することが困難な状況で要件を取りまとめなければならない。
特にユーザーインタフェース(以下,UIという)は,要件の確認が困難であるため,情報システムの利用者像を想定することから始める必要がある。利用者像は,利用者の性別や年齢層,スマートフォンやPCなどの利用環境におけるITリテラシーなどから想定することが多い。その上で,利用者に提供する機能を洗い出し,適切と思われるUIを検討する。
このような検討では,適切なUIを選択する際に課題が発生することも多く,その課題に対応しなければならない。課題には,例えば次のようなものがある。
・想定される利用者が多岐にわたるので,利用ガイドなどの支援機能が決まらない。
・メニューの階層を浅くする方法と,深くする方法のどちらが利用者に受け入れられるのかが分からない。
また,このような情報システムの場合,開発やデリバリーのプロセスを自動化し開発サイクルを短期化した上で情報システムを運用しながら改訂していくことを可能にしたり,画面や機能の利用状況をモニタリングする機能を用意し改善点を発見しやすくしたりするなど,UIを継続的に適切化していくための工夫をすることも重要である。
あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜設問ウに従って論述せよ。
設問ア あなたが開発に携わった,開発者が利用者と直接の接点を持つことが難しい情報システムについて,開発の目的,対象の業務と情報システムの概要を,800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた情報システムにおけるUIについて利用者像をどのように想定し,どのようなUIを検討したか。検討で発生した適切なUIを選択する際の課題とその対応策を交え,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。
設問ウ 設問アで述べた情報システムでUIを継続的に適切化していくための工夫について,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。
IPA公開情報
出題趣旨
近年,通販サイトやスマートフォンアプリケーションのように,開発者が利用者と直接の接点を持つことが難しい情報システムの開発が増えてきている。しかし,このような情報システムでは,システムアーキテクトが情報システムの要件を取りまとめる際に,ユーザーインタフェース(以下,UI という)の要件の検討における課題が発生することが多い。
本問は,利用者と直接の接点を持つことが難しい情報システムの UI の要件の検討について,想定した利用者像,検討した UI,適切な UI を選択する際の課題とその対応策,UI を継続的に適切化していくための工夫などを具体的に論述することを求めている。論述を通じて,システムアーキテクトに必要な要件定義の能力を評価する。
採点講評
全問に共通して,自らの経験に基づき設問に素直に答えている論述が多かったが,問題文に記載してあるプロセスや観点などを抜き出し,一般論と組み合わせただけの表面的な論述も散見された。また,実施した事項を論述するだけにとどまり,実施した理由や検討の経緯が読み取れない論述も少なからず見受けられた。自らが実際にシステムアーキテクトとして検討し取り組んだことを,設問に沿って具体的に論述してほしい。
問 2 では,多くの論述が,利用者と直接の接点がない情報システムのユーザーインタフェースについて適切に解答しており,このような情報システムの開発が一般化していることをうかがわせた。一方で,自社内の情報システムのように,利用者と直接の接点がないとは言い難い情報システムに関する論述も散見された。このような論述は,本問で問うている内容とは異なることに留意してほしい。また,一般論に終始して具体性に欠ける論述や,設問で求めている事項に触れていない論述も一部に見受けられた。システムアーキテクトとしての自らの経験や考えに基づいて,具体的に解答することを心掛けてほしい。
解答例
構成例
準備中
論述例
設問ア
準備中
設問イ
準備中
設問ウ
準備中