資格部

資格・検定の試験情報、対策方法、問題解説などをご紹介

PM 令和3年度秋期 午後Ⅱ 問1

   

システム開発プロジェクトにおけるプロジェクトチーム内の対立の解消について

 プロジェクトマネージャ(PM)は,プロジェクトの目標の達成に向け継続的にプロジェクトチームをマネジメントし,プロジェクトを円滑に推進しなければならない。
 プロジェクトの実行中には,作業の進め方をめぐって様々な意見や認識の相違がプロジェクトチーム内に生じることがある。チームで作業するからにはこれらの相違が発生することは避けられないが,これらの相違がなくならない状態が続くと,プロジェクトの円滑な推進にマイナスの影響を与えるような事態(以下,対立という)に発展することがある。
 PMは,プロジェクトチームの意識を統一するための行動の基本原則を定め,メンバに周知し,遵守させる。プロジェクトの実行中に,プロジェクトチームの状況から対立の兆候を察知した場合,対立に発展しないように行動の基本原則に従うように促し,プロジェクトチーム内の関係を改善する。しかし,行動の基本原則に従っていても意見や認識の相違が対立に発展してしまうことがある。その場合は,原因を分析して対立を解消するとともに,行動の基本原則を改善し,遵守を徹底させることによって,継続的にプロジェクトチームをマネジメントする必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが携わったシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクトの特徴,あなたが定めた行動の基本原則とプロジェクトチームの状況から察知した対立の兆候について,800字以内で述べよ。

設問イ 設問アで述べたプロジェクトの実行中に作業の進め方をめぐって発生した対立と,あなたが実施した対立の解消策及び行動の基本原則の改善策について,800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ 設問イで述べた対立の解消策と行動の基本原則の改善策の実施状況及び評価と,今後の改善点について,600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 プロジェクトの実行中には,作業の進め方をめぐってプロジェクトチーム内に様々な意見や認識の相違が発生する。これらの相違の発生を一概には否定できないが,これらの相違がなくならない状態が続くことで,プロジェクトの円滑な推進にマイナスの影響を与えるような対立に発展することがある。
 本問は,プロジェクトマネージャ(PM)として,行動の基本原則を定めどのように対立を回避しようとした のか,それでもなお対立が発生した場合,PM としてその対立をどのように解消したのか,また,行動の基本原 則をどのように改善し遵守させたかを具体的に論述することを求めている。論述を通じて,PM として有すべき プロジェクトチームのマネジメントに関する知識,経験,実践能力などを評価する。

採点講評

 全問に共通して,自らの経験に基づいて具体的に論述できているものが多かった。一方で,各設問には論述を求める項目が複数あるが,対応していない項目のある論述,どの項目に対する解答なのか判然としない論述が見受けられた。また,論述の主題がプロジェクトチームのマネジメントやスケジュールの管理であるにもかかわらず,内容が主題から外れて他のマネジメントプロセスに偏った論述となったり,システムの開発状況やプロジェクトの作業状況の説明に終始したりしている論述も見受けられた。プロジェクトマネージャとしての 役割や立場を意識した論述を心掛けてほしい。

 問 1 では,プロジェクトマネージャ(PM)として,行動の基本原則を定めた上でどのように兆候を察知して対立を回避しようとしたのか,それでもなお対立が発生した場合,PM としてその対立をどのように解消したのか,また,行動の基本原則をどのように改善し遵守させたのか,具体的な論述を期待した。経験に基づき具体的に論述できているものが多かった。一方で,行動の基本原則がプロジェクトの特徴に即していない論述や,対立の解消策が対立の内容や原因に対応していない論述も見受けられた。PM として,行動の基本原則を定め遵守させることでプロジェクトチームの意識を統一してプロジェクトを円滑に推進するよう,プロジェクトチームのマネジメントのスキルの習得に努めてほしい。

解答例

 準備中

前問 ナビ 次問