A、B、Cの3人がDに対して900万円の連帯債務を負っている場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、A、B、Cの負担部分は等しいものとする。
- DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。
- Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。
- Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。
- CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。
解答・解説
解答
2
解説
- DがAに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らなければ、B及びCについては、その効力が生じない。 ❌
いずれかの連帯責任者の対する請求は、他の連帯責任者にも効力が及びます。
そのため、Aに対して履行の請求をした場合、B及びCがそのことを知らな畔も、B及びCについては、その効力が生じます。 - Aが、Dに対する債務と、Dに対して有する200万円の債権を対当額で相殺する旨の意思表示をDにした場合、B及びCのDに対する連帯債務も200万円が消滅する。 ⭕️
正しいです。 - Bのために時効が完成した場合、A及びCのDに対する連帯債務も時効によって全部消滅する。 ❌
時効の完成は、負担部分の限度で絶対効です。
そのため、この場合消滅する債務は、Bの負担割合(300万円)のみです。 - CがDに対して100万円を弁済した場合は、Cの負担部分の範囲内であるから、Cは、A及びBに対して求償することはできない。 ❌
弁済額が負担部分内であっても求償することができます。
そのため、CはA及びBに対して求償(それぞれに約33万円)できます。