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適性科目 令和5年度 Ⅱ-3

   

 国民生活の安全・安心を損なう不祥事は,事業者内部からの通報をきっかけに明らかになることも少なくない。こうした不祥事による国民への被害拡大を防止するために通報する行為は,正当な行為として事業者による解雇等の不利益な取扱いから保護されるべきものである。公益通報者保護法は,このような観点から,通報者がどこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にしたものである。2022年に改正された公益通報者保護法では,事業者に対し通報の受付や調査などを担当する従業員を指定する義務,事業者内部の公益通報に適切に対応する体制を整備する義務等が新たに規定されている。
 公益通報者保護法に関する次の記述のうち,不適切なものはどれか。

① 通報の対象となる法律は,すべての法律が対象ではなく,「国民の生命,身体,財産その他の利益の保護に関わる法律」として公益通報者保護法や政令で定められている。

② 公務員は,国家公務員法,地方公務員法が適用されるため,通報の主体の適用範囲からは除外されている。

③ 公益通報者が労働者の場合,公益通報をしたことを理由として事業者が公益通報者に対して行った解雇は無効となり,不利益な取り扱いをすることも禁止されている。

④ 不利益な取扱いとは,降格,減給,自宅待機命令,給与上の差別,退職の強要,専ら雑務に従事させること,退職金の減額没収等が該当する。

⑤ 事業者は,公益通報によって損害を受けたことを理由として,公益通報者に対して賠償を請求することはできない。

 

解答・解説

解答

 ②

解説

① 通報の対象となる法律は,すべての法律が対象ではなく,「国民の生命,身体,財産その他の利益の保護に関わる法律」として公益通報者保護法や政令で定められている。
適切です。

② 公務員は,国家公務員法,地方公務員法が適用されるため,通報の主体の適用範囲からは除外されている。
公務員も公益通報者保護法の適用範囲のため、不適切です。

③ 公益通報者が労働者の場合,公益通報をしたことを理由として事業者が公益通報者に対して行った解雇は無効となり,不利益な取り扱いをすることも禁止されている。
適切です。

④ 不利益な取扱いとは,降格,減給,自宅待機命令,給与上の差別,退職の強要,専ら雑務に従事させること,退職金の減額没収等が該当する。
適切です。

⑤ 事業者は,公益通報によって損害を受けたことを理由として,公益通報者に対して賠償を請求することはできない。
適切です。

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