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弁理士 商標 R1-5

 

 設定の登録前の金銭的請求権(商標法第13条の2)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

  1. 商品に係る登録商標についての防護標章登録出願は、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務を指定商品又は指定役務とするものであるから、その防護標章登録出願人は、当該出願に係る標章と同一の商標の使用をした者に対し、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができない。
  2. 設定の登録前の金銭的請求権に基づく金銭の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、当該商標登録を無効にすべき旨の審決が確定し、その金銭的請求権が初めから生じなかったものとみなされた場合、当該訴訟の当事者であった者は、当該終局判決に対する再審の訴えにおいて、当該無効審決が確定したことを主張して、既に支払った金銭の返還を請求することができる。
  3. 設定の登録前の金銭的請求権は商標権の設定の登録があった後でなければ行使することができないところ、当該金銭的請求権に基づく金銭の支払の請求に係る訴訟は商標権侵害訴訟ではないから、当該訴訟において、被告は、商標権者である原告に対し、当該商標権に係る商標登録が無効であることを抗弁として主張することは商標法上認められていない。
  4. 商標登録出願人が、商標登録出願をした後に当該出願に係る商標を使用していない場合であっても、当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について、当該出願に係る商標の使用をした者に対し、常に、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。
  5. 商標登録出願人は、商標登録出願をした後に当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について、当該出願に係る商標の使用をした者のみならず、当該商標に類似する商標の使用をした者に対しても、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。

解答・解説

解答

 5

解説

  1. 商品に係る登録商標についての防護標章登録出願は、その登録商標に係る指定商品及びこれに類似する商品以外の商品又は指定商品に類似する役務以外の役務を指定商品又は指定役務とするものであるから、その防護標章登録出願人は、当該出願に係る標章と同一の商標の使用をした者に対し、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができない。
    ❌ 商68条1項で準用する商13条の2
    商標登録出願人は、商標登録出願をした後に当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について当該出願に係る商標の使用をした者に対し、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。[商13条の2]

  2. 設定の登録前の金銭的請求権に基づく金銭の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、当該商標登録を無効にすべき旨の審決が確定し、その金銭的請求権が初めから生じなかったものとみなされた場合、当該訴訟の当事者であった者は、当該終局判決に対する再審の訴えにおいて、当該無効審決が確定したことを主張して、既に支払った金銭の返還を請求することができる。
    ❌ 商38条の2 1号
    商標権若しくは専用使用権の侵害又は第十三条の二第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する金銭の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、次に掲げる審決又は決定が確定したときは、当該訴訟の当事者であつた者は、当該終局判決に対する再審の訴え(当該訴訟を本案とする仮差押命令事件の債権者に対する損害賠償の請求を目的とする訴え並びに当該訴訟を本案とする仮処分命令事件の債権者に対する損害賠償及び不当利得返還の請求を目的とする訴えを含む。)においては、当該審決又は決定が確定したことを主張することができない。[商38条の2 1号]

  3. 設定の登録前の金銭的請求権は商標権の設定の登録があった後でなければ行使することができないところ、当該金銭的請求権に基づく金銭の支払の請求に係る訴訟は商標権侵害訴訟ではないから、当該訴訟において、被告は、商標権者である原告に対し、当該商標権に係る商標登録が無効であることを抗弁として主張することは商標法上認められていない。
    ❌ 商13条の2 5項
    第二十七条、第三十七条、第三十九条において準用する特許法第百四条の三第一項及び第二項、第百五条、第百五条の二の十二、第百五条の四から第百五条の六まで及び第百六条、第五十六条第一項において準用する同法第百六十八条第三項から第六項まで並びに民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条及び第七百二十四条(不法行為)の規定は、第一項の規定による請求権を行使する場合に準用する。この場合において、当該請求権を有する者が商標権の設定の登録前に当該商標登録出願に係る商標の使用の事実及びその使用をした者を知つたときは、同条第一号中「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」とあるのは、「商標権の設定の登録の日」と読み替えるものとする。[商13条の2 5項]

  4. 商標登録出願人が、商標登録出願をした後に当該出願に係る商標を使用していない場合であっても、当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について、当該出願に係る商標の使用をした者に対し、常に、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。
    ❌ 商13条の2
    商標登録出願人は、商標登録出願をした後に当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について当該出願に係る商標の使用をした者に対し、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。[商13条の2]

  5. 商標登録出願人は、商標登録出願をした後に当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について、当該出願に係る商標の使用をした者のみならず、当該商標に類似する商標の使用をした者に対しても、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。
    ⭕️ 商13条の2 5項
    第二十七条、第三十七条、第三十九条において準用する特許法第百四条の三第一項及び第二項、第百五条、第百五条の二の十二、第百五条の四から第百五条の六まで及び第百六条、第五十六条第一項において準用する同法第百六十八条第三項から第六項まで並びに民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百十九条及び第七百二十四条(不法行為)の規定は、第一項の規定による請求権を行使する場合に準用する。この場合において、当該請求権を有する者が商標権の設定の登録前に当該商標登録出願に係る商標の使用の事実及びその使用をした者を知つたときは、同条第一号中「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」とあるのは、「商標権の設定の登録の日」と読み替えるものとする。[商13条の2 5項]

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