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ST 令和6年度春期 午後Ⅰ 問1

 

インターネットサービス事業者による総合金融サービスの提供に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

 A社は,検索サイト事業やECサイト事業を運営する企業である。積極的なサービス開発とM&Aによって,インターネットバンキング(以下,ネットバンキングという)やインターネット証券,インターネット保険などの金融サービス事業や広告事業,旅行仲介事業を傘下に収め,これまで金融市場をはじめとする様々な市場で事業を拡大させてきた。A社はこうした拡大を将来にわたり継続しながら,今後は顧客のあらゆる経済活動を,A社グループのサービスを組み合わせたデジタル空間で実現,循環させる,デジタル経済圏(以下,A経済圏という)の確立を目指している。
 J銀行は,A社の子会社である。元は大手都市銀行の子会社として設立され,数年前にM&AによってA社の傘下に加わった,国内ネットバンキングのパイオニアである。シンプルで分かりやすいUIとサービスの安定性によって顧客を集め,インターネット専業銀行として独自の地位を築いている。

 

A社の戦略
 近年,A社は新たなサービスとしてQRコード決済サービス(以下,A-Payという)の提供を開始した。A-Payは,申込みから利用開始,決済までを全てスマートフォンで完結できる利便性が評価され,多くの利用者を集めている。また,加盟店からは店頭取引に専用の決済端末を必要としない利便性が評価され,QRコード決済サービスの市場で大きなシェアを獲得し,国内キャッシュレス取引の拡大をけん引している。
 A社は,今後の金融サービスは,デジタル空間での取引が中心になると考えており,A-Payの成功を足掛かりに,“銀行,証券,保険などのあらゆる金融サービス機能を,デジタル空間で統合した総合金融サービス”(以下,A-Includeという)を提供することによって,A経済圏への顧客囲い込みを強化できると考え,次の施策を行うことにした。

・A-Pay利便性強化のための,A-Payの決済サービスとJ銀行の決済サービス連動

・顧客がA-Includeを利用するための,スマートフォン用のアプリケーションプログラム(以下,Aアプリという)の開発

・A-Includeの実現に必要となる,J銀行勘定系システムの再構築

 

A-Payの利便性強化
 A-Payでは,次の方式によってQRコード決済サービスを実現している。

① 利用者はスマートフォンを利用し,銀行口座又はクレジットカードを通じてA-Pay内で使える電子マネー(以下,Aポイントという)を購入する。

② 利用者はA-Pay加盟店で商品やサービスを購入する際に,スマートフォンで加盟店が示すQRコードを読み取り,保有する自分のAポイントで支払う。

③ 利用者がAポイントを購入するときは手数料を支払わないが,Aポイントを利用者の銀行口座に預金として払い戻すときは,手数料が差し引かれる。

④ 加盟店が受け取ったAポイントは1か月に2回集計され,所定の手数料率による手数料を差し引いた払戻金が,数日後に加盟店の銀行口座に入金される。

 

 A-Payの利用者からは,クレジットカードなどでは実質的に無料で決済サービスを利用できることと異なり,A-Payでは銀行口座にAポイントを払い戻すときに手数料が生じる点に不満が寄せられていた。また加盟店からも,売上げから入金までに最大半月程度のタイムラグがあり,資金繰りが悪化するなどの理由で,入金の早期化と手数料率の引下げを求められていた。競合事業者の追上げもあり,これらの状況を放置すれば,シェアの低下を招く懸念があった。
 そこでA社は,J銀行口座を保有するA-Payの利用者と加盟店に,表1に示す決済サービスを提供し,J銀行の決済サービスとA-Payの決済サービスの相互利用時の利便性を強化することによって,顧客ニーズに対応することにした。

表1 顧客ニーズへの対応

 

Aアプリの開発
 A社がA-Includeの主要な顧客として注目する世代は,1990年代以降に出生した若者世代である。他の世代と比較して顧客としての継続期間が長い可能性があり,顧客生涯価値が高いことを期待できる。生活においては多様な価値観と効率性を重視し,親世代が経験した経済不況の影響による将来不安を反映して,生活防衛や資産形成に潜在的な関心があると推定されている。
 しかし,この世代への金融サービス販売は進んでいない。テストサイトなどを用いた調査の結果,保険や投資などに関心をもって検索する人はいても,どの商品が良いかが分からないなど,多くは契約に至っていないことが分かった。また,申込書類など資料の取り寄せはスマートフォンで行えても,正式な契約手続として,手書きによる契約書の提出や本人確認書類の郵送が,契約の都度必要となるなどの煩雑さも原因と推定された。
 このことを踏まえA社は,次の機能を備えたAアプリを開発することにした。

① J銀行のネットバンキング機能をはじめ,A-Payやインターネット証券,インターネット保険など,A社グループの全ての金融サービス機能を,Aアプリを通じて提供する。これらサービス機能は,サービスの追加に対応して順次追加する。

② Aアプリ内では共通通貨として,多様な決済にAポイントを利用できる。

③ 検索サイトやECサイトなど金融サービス機能以外のA社グループのサービスもAアプリを通じて提供し,全てのサービスの利用履歴をAアプリに記録する。

④ 将来のサービスの追加に備え,十分な柔軟性と拡張性を確保する。

⑤ Aアプリに利用者が登録した個人情報などのデータを保存し,利用者の操作によって,以後のAアプリで行う処理に利用できる。

⑥ AIによる家計分析を行い,顧客の志向に沿った生活防衛や資産形成を提案する。

 

J銀行勘定系システムの再構築
 J銀行の勘定系システムは,親会社であった大手都市銀行のソフトウェア資産を流用して構築され,“預金”,“為替”などの業務の間でシステム機能同士が密接に連動しており,これまでもサービスの追加や修正において,影響範囲の特定に多大な時間を要することや,システム改修に多くの費用を要することなどが,構想実現の足かせとなっていた。
 そこでA社は,J銀行勘定系システムの機能を再編し,細分化して整理した機能を組み合わせて業務を実現する形態にシステムを再構築した上で,Aアプリに提供する次の機能を,J銀行勘定系システムに追加することにした。

① ネットバンキングAPI
“預金”,“為替”などの業務を,API機能としてAアプリに提供する。

② データマネジメントAPI
顧客の属性や認証データをプロファイルデータとして保管する。API呼出しによって,保管したプロファイルデータをAアプリに提供する。

③ Aポイント残高管理
J銀行勘定系システム内で,Aポイント残高に預金残高と等価交換できる価値をもたせ,相互に両替できる。

 

設問1 〔A社の戦略〕について答えよ。

 

(1)A社がA-Includeを構築する目的は,A社のどのような戦略を実現するためか。35字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)A-Includeの提供に当たり,A社が生かすことができると考えた,市場における自社の競争優位性を二つ挙げ,それぞれ35字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問2 〔A-Payの利便性強化〕について答えよ。
 A-Payの利便性強化は,どのような顧客ニーズに対応する狙いがあるか。表1中の  ア    イ  に入れる適切な字句を,それぞれ15字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問3 〔Aアプリの開発〕について答えよ。

 

(1)A社が金融サービスの新たな顧客層として若者世代に注目する理由を二つ挙げ,それぞれ25字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)A社が次の機能をAアプリに備えることにした目的を,それぞれ35字以内で答えよ。
(ア)全てのサービスの利用履歴をAアプリに記録
(イ)個人情報などのデータを保存

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問4 〔J銀行勘定系システムの再構築〕について答えよ。

 

(1)A社がJ銀行勘定系システムにAポイント残高管理機能を追加した目的は何か。Aアプリの機能に着目して,35字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)A社はA社事業におけるどのようなA-Includeの将来構想に基づき,J銀行勘定系システムの再構築を行ったか。35字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

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