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SM 令和6年度春期 午後Ⅰ 問1

 

サービスの予算業務及び会計業務に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

 Q社は,個人投資家を対象とした証券会社で,東京の本社にサービス事業本部と情報システム本部があり,全国に営業店がある。サービス事業本部にはT事業部とU事業部があり,情報システム本部にはシステム開発部とITインフラ部がある。システム開発部は,システムの開発と保守を担当している。ITインフラ部は,システム運用を担当し,サーバやストレージなどのハードウェア及びソフトウェア(以下,これらをITインフラ群という)を管理している。ITインフラ部は,サービス事業本部に対して,運用しているシステムをITサービスとして提供している。
 Q社のITインフラ群は,V社が運営するデータセンター(以下,DCという)にハウジングされている。Q社は,DCの施設・設備をハウジングサービスとして利用している。ITインフラ部の提供しているITサービスの概要を表1に示す。

表1 ITインフラ部の提供しているITサービスの概要(2023年4月時点)

 ITインフラ部は,ITサービスを運用するために掛かる費用を算出し,顧客に課金している。現在,顧客に課金している費用の一覧を表2に示す。

表2 顧客に課金している費用の一覧

 ITインフラ部は,表2の費用を次のように管理している。特定事業部のITサービスで専用に使用されている費用を直接費として当該事業部に割り当てる。直接費にはハードウェアリース料,ハードウェア保守費及びソフトウェア使用料がある。運用人件費及びDC使用料は,費用の総額を各事業部に按分し,間接費として配賦している。なお,DC使用料は固定料金制の長期契約となっており,2026年3月まで費用の変動はない。

 

〔情報系サービスの移行計画〕
 2023年度末である2024年3月に,情報系サービスを構成するサービスコンポーネントのITインフラ群が保守期限切れになる。これに伴い,ITインフラ部は,2023年6月までにITインフラ群の移行方針を策定することになり,ITサービスマネージャS氏が担当となった。Q社を利用する個人投資家は年々増加しており,情報系サービスが対象とするデータ量も増加している。2023年4月,S氏は,今後の情報系サービスの需要見込みについてT事業部と協議した。S氏は,協議した需要見込みを基に,2024年度期初に2023年度期初に比べて20%の容量・能力増加が必要で,その後も順次容量・能力の増加が必要となると予測した。ITインフラ部は,需要の変化に対応する迅速な容量・能力変更の必要性及び費用の抑制を考慮し,情報系サービスで専用に使用するITインフラ群を外部のクラウドサービスに移行し,2024年3月から利用を開始する移行方針を立てた。なお,運用要員はITサービスのシステム運用業務を行っており,移行後も運用業務量の変動はない予定である。
 S氏は,複数のクラウド事業者に提供サービスについてヒアリングした上で評価し,R社のクラウドサービス(以下,Rクラウドという)を候補として選定した。Rクラウドでは,利用者の要求に応じて,サーバとストレージのリソース使用量を動的に割り当てること(以下,リソースオンデマンドという)ができる。R社から管理ツールとその使用権限が与えられ,これによってリソースオンデマンドの機能を使うことができる。

 

Rクラウド利用料の見積り
 S氏は,ITインフラ部における情報系サービスの予算管理者としての役割を担っている。S氏は,クラウドサービス移行後の予算案策定に向け,Rクラウド利用料の見積りを行うことにした。まず,ソフトウェア使用料については,移行後も費用の変動がないことを確認した。次に,Rクラウドには,サーバとストレージのリソースに対応したサービスがあり,それぞれ次の価格モデルがあることを確認した。

 ①従量制料金:サーバは時間単位,ストレージは月単位に割り当てたリソース使用量に応じて課金額が決まる方式

 ②使用量予約:一定のリソース使用量を,1日24時間で365日分年間予約することで,予約した年単位のリソース使用量分の従量制料金に年間割引を適用する。

 

 Rクラウドのサービス料金を,表3に示す。

表3 Rクラウドのサービス料金

 情報系サービスのサーバは,“①従量制料金”の価格モデルの場合,サービス時間だけ利用するので,1台当たりの年間リソース使用時間は  a  時間となる。したがって,価格モデルとして  b  を適用した方が,他方の価格モデルよりも低額となる。また,情報系サービスのストレージは,価格モデルとして“②使用量予約”を適用し,予算案を策定する方針とした。S氏は,2024年度に情報系サービスで使うRクラウドの利用料を外部委託費として見積もり表4にまとめた。ここで,2024年度は,期初の需要見込みに対応した容量・能力を確保し,2024年度中は,容量・能力に変動がないものとした。

表4 2024年度情報系サービスで使うRクラウド利用料の見積り

 ITインフラ部は,S氏の見積りをレビューし,費用を抑制できると評価した。そこで,ITインフラ部は,クラウドサービス移行についてシステム開発部及びサービス事業本部と協議を開始した。

 

サービス事業本部への費用の提示
 S氏は,クラウドサービス移行後のT事業部への情報系サービスの課金額を検討した。S氏は,表4で示す費用以外に,表2の費目のうち,クラウドサービス移行後もソフトウェア使用料,運用人件費及びDC使用料は継続して発生するとの前提をおいて,課金すべき直接費と間接費を算出した。
 ITインフラ部では,直接費は実績に基づき各事業部に課金している。その際に,関連する作業負荷,容量・能力の情報も報告し,予算及び需要見込みに対して実績が適切かどうかを各事業部も把握できるようにしている。S氏は,(ア)新たに割り当てる直接費についても関連するリソース実績をT事業部に報告することにした。
 次にS氏は,移行後の間接費について,配賦額を検討し,ITインフラ部内でレビューをした。Rクラウドに移行した場合,“(イ)現在の間接費の配賦の方法では問題がある”との指摘があり,S氏は,配賦の方法の見直しを検討し2024年度にT事業部が支払う費用の見込み案(以下,2024年度課金案という)を作成した。
 ITインフラ部は,2024年度課金案をサービス事業本部に提示し,合意を得た。その後,ITインフラ部は,Q社の変更管理プロセスに従い,Rクラウドへの移行について変更要求を提出した。変更要求は規定に従って審査され,Rクラウドへの移行が決定された。Q社では,Rクラウドを使って情報系サービスが正常に稼働することを機能面・性能面から確認する必要があるので,システム開発部を中心として関連部署からメンバーが招集され,移行プロジェクトが発足し,2023年8月から2024年3月まで活動を行うことになった。なお,2024年3月までのRクラウドの利用料移行作業費などは,移行プロジェクトの費用とする予算措置がとられた。
 また,2024年度課金案は,移行プロジェクトの結果を反映して見直しを行い,2024年度の予算を策定することになった。策定された予算は,規定に従って承認された後,2024年3月に利害関係者に通知される。

 

予算と費用実績の管理に向けた検討
 S氏は,予算管理者として,予算がどのように執行されるかを監視する責任がある。S氏は,移行後のRクラウドを含む予算と費用実績の管理について,検討を開始した。
 2024年1月に,S氏は,移行プロジェクトの状況をヒアリングした。ヒアリングの結果は,次のとおりである。

 ・システム開発部とITインフラ部のプロジェクト担当者が,Rクラウド上で情報系サービスが正常に稼働することを,機能面と性能面で確認できた段階である。

 ・Q社では,2024年度後半に個人投資家向けに,新商品の販売キャンペーンを行う計画があり,計画の実施に当たって情報系サービスの需要が急増する見込みがある。T事業部とITインフラ部のプロジェクト担当者は,リソースオンデマンドを使って迅速にリソース拡張を行うことで,急増する需要に対応できることを確認している。

 S氏は,販売キャンペーンを行う計画を織り込んで情報系サービスの需要を見直し,2024年度予算に反映することにした。しかし,2024年3月時点で,販売キャンペーンの規模などは不透明で,販売キャンペーンの規模を拡大して実施することになった場合に,現時点の販売キャンペーンの計画よりも需要は増加することが考えられる。S氏は,このような事業環境の中で本番運用を開始した場合,(ウ)予算管理上のリスクがあると認識した。S氏は,リスクが顕在化することを想定し,事業環境変化に対応してタイムリーにリソースオンデマンドを活用できるように(エ)必要な対策を検討し,本番運用開始までに利害関係者に徹底することにした。

設問1 〔Rクラウド利用料の見積り〕について答えよ。なお,計算の最終結果で小数が発生する場合は,小数第1位を四捨五入し,答えは整数で求めよ。

 

(1)本文中の  a  に入れる適切な数値を答えよ。ここで,情報系サービスにおける1年間の平日は260日とする。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)本文中の  b  に入れる表3中の価格モデルの記号①又は②を答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(3)表4中の  c  に入れる適切な数値を答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問2 〔サービス事業本部への費用の提示〕について答えよ。

 

(1)本文中の下線(ア)について,ITサービスの需要見込みに対する実績の差異を把握する観点で,報告すべきリソース実績は何か。30字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)本文中の下線(イ)について,指摘された問題の内容を,30字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問3 〔予算と費用実績の管理に向けた検討〕について答えよ。

 

(1)本文中の下線(ウ)の予算管理上のリスクを,35字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)本文中の下線(エ)について,予算管理者として検討すべき対策を,40字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

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