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AU 令和3年度秋期 午後Ⅱ 問1

   

RPAツールを利用した業務処理の自動化に関する監査について

 近年,少子高齢化に伴う労働人口の減少,働き方のニーズの多様化などの課題に対して,企業などには働き方改革の推進が求められている。また,広域災害,感染症拡大などの状況下において,テレワークの活用も広がっている。
 このような中,RPAツール(以下,RPAという)を導入する事例が増えてきている。RPAを利用してソフトウェアロボット(以下,ロボットという)を開発することによって,これまでPC上で人手を介して行っていた一連の業務処理を自動化することができる。また,RPAには,自動化したい業務処理の操作を記録する機能のほか,標準的な部品なども用意されているので,ユーザ部門でもドラッグアンドドロップなどの比較的簡単な操作でロボットを開発することができるという特徴もある。
 一方で,ユーザ部門は,情報システムの開発,運用及び保守には必ずしも精通しているわけではない。したがって,ユーザ部門がRPAを導入してロボットを開発する場合,例えば,自動化の対象とする業務処理の選定を誤ったり,テストパターンが不足したりするなどのおそれがある。また,開発したロボットの運用管理,改変対応などの,運用及び保守体制・ルールなどが明確でないことから,ロボットが正しく稼働しなくなることもある。
 システム監査人は,このような状況を踏まえて,RPAを利用した業務処理の自動化において,ロボットの開発,運用及び保守に関わるリスクを低減するためのコントロールが適切に機能しているかどうかを確かめる必要がある。
 あなたの経験と考えに基づいて,設問ア〜ウに従って論述せよ。

設問ア あなたが関係する組織において計画又は実施しているRPAを利用した業務処理の自動化において,その概要と期待される効果,ロボットを開発,運用及び保守するための体制を,800字以内で述べよ。

設問イ 設問アで述べた業務処理の自動化において,ロボットの開発,運用及び保守に関わるリスクを低減するためには,どのようなコントロールが必要か。リスクと関連付けて,700字以上1,400字以内で具体的に述べよ。

設問ウ 設問イで述べたコントロールが適切に機能しているかどうかを確かめるための監査手続について,700字以上1,400字以内で具体的に述べよ。

 

IPA公開情報

出題趣旨

 働き方改革の推進,テレワークの拡大などに伴い,RPA を利用した業務処理の自動化の事例が増えてきてい る。RPA には,ドラッグアンドドロップなどの比較的簡単な操作でソフトウェアロボット(以下,ロボットという)を開発できるという特徴があるので,ユーザ部門でも容易に導入することができる。
 一方で,ユーザ部門は,情報システムの開発,運用及び保守には必ずしも精通しているわけではない。したがって,ユーザ部門だけでロボットを開発し,運用及び保守するには,さまざまなリスクが生じる。 本問では,システム監査人として,RPA を利用した業務処理の自動化において,ロボットの開発,運用及び保守に関わるリスクを低減するためのコントロールが適切に機能しているかどうかを確かめるための知識・能 力などを問う。

採点講評

 システム監査技術者試験では,問 1 で監査手続の作成について,問 2 でシステム監査計画の策定について,システム監査人としての知識と能力・見識を問うているが,問題文の趣旨と設問の内容を踏まえずに論述している解答が散見された。また,システム担当者の立場で論述している解答も目立った。システム監査人の立場から,どのようなリスクを想定し,コントロールの適切性などをどのように確かめればよいと考えるか,経験と考えに基づいて,具体的に論述するように心掛けてほしい。

 問 1 では,ユーザ部門が RPA を導入して業務処理を自動化する場合のリスクとコントロール及び監査手続を求めたが,システム部門やベンダ委託によるツール導入の一般的な開発,運用・保守の内容にとどまり, RPA の特徴を踏まえた論述になっていない解答が多かった。設問イでは,コントロールが具体的でなかったり,開発段階のリスクとコントロールだけを論述していたり,監査手続を論述していたりする解答が散見された。また,設問ウでは,監査手続が具体的でなかったり,監査の手順や実施結果,改善提案の論述であったりする解答が目立った。問題文の趣旨と設問の内容を踏まえて,論述してほしい。

解答例

構成例

 準備中

論述例
設問ア

 準備中

設問イ

 準備中

設問ウ

 準備中

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