資格部

資格・検定の試験情報、対策方法、問題解説などをご紹介

適性科目 令和4年度 Ⅱ-7

   

 倫理問題への対処法としての功利主義と個人尊重主義とは,ときに対立することがある。次の記述の   に入る語句の組合せとして,適切なものはどれか。

 倫理問題への対処法としての「功利主義」とは,19世紀のイギリスの哲学者であるべンサムやミルらが主張した倫理学説で,「最大多数の ア 」を原理とする。倫理問題で選択肢がいくつかあるとき,そのどれが最大多数の ア につながるかで優劣を判断する。しかしこの種の功利主義のもとでは,特定個人への不利益が生じたり, イ が制限されたりすることがある。一方,「個人尊重主義」の立場からは, イ はできる限り尊重すべきである。功利主義においては,特定の個人に犠牲を強いることになった場合には,個人尊重主義と対立することになる。功利主義のもとでの犠牲が個人にとって許容できるものかどうか。その確認の方法として,「黄金律」テストがある。黄金律とは,「 ウ 」あるいは「自分の望まないことを人にするな」という教えである。自分がされた場合には憤慨するようなことを,他人にはしていないかチェックする「黄金律」テストの結果,自分としては損害を許容できないとの結論に達したならば,他の行動を考える倫理的必要性が高いとされる。また,重要なのは,たとえ「黄金律」テストで自分でも許容できる範囲であると判断された場合でも,次のステップとして「相手の価値観においてはどうだろうか」と考えることである。権利にもレベルがあり,生活を維持する権利は生活を改善する権利に優先する。この場合の生活の維持とは,盗まれない権利,だまされない権利などまでを含むものである。また,安全, エ に関する権利は最優先されなければならない。

 
最大幸福 多数派の権利 自分の望むことを人にせよ 身分
最大利潤 個人の権利 人が望むことを自分にせよ 健康
最大幸福 個人の権利 自分の望むことを人にせよ 健康
最大利潤 多数派の権利 人が望むことを自分にせよ 健康
最大幸福 個人の権利 人が望むことを自分にせよ 身份

解答・解説

解答

 ③

解説

 適切に穴埋めした文章は次の通りです。

 倫理問題への対処法としての「功利主義」とは,19世紀のイギリスの哲学者であるべンサムやミルらが主張した倫理学説で,「最大多数の 最大幸福 」を原理とする。倫理問題で選択肢がいくつかあるとき,そのどれが最大多数の 最大幸福 につながるかで優劣を判断する。しかしこの種の功利主義のもとでは,特定個人への不利益が生じたり, 個人の権利 が制限されたりすることがある。一方,「個人尊重主義」の立場からは, 個人の権利 はできる限り尊重すべきである。功利主義においては,特定の個人に犠牲を強いることになった場合には,個人尊重主義と対立することになる。功利主義のもとでの犠牲が個人にとって許容できるものかどうか。その確認の方法として,「黄金律」テストがある。黄金律とは,「 自分の望むことを人にせよ 」あるいは「自分の望まないことを人にするな」という教えである。自分がされた場合には憤慨するようなことを,他人にはしていないかチェックする「黄金律」テストの結果,自分としては損害を許容できないとの結論に達したならば,他の行動を考える倫理的必要性が高いとされる。また,重要なのは,たとえ「黄金律」テストで自分でも許容できる範囲であると判断された場合でも,次のステップとして「相手の価値観においてはどうだろうか」と考えることである。権利にもレベルがあり,生活を維持する権利は生活を改善する権利に優先する。この場合の生活の維持とは,盗まれない権利,だまされない権利などまでを含むものである。また,安全, 健康 に関する権利は最優先されなければならない。

前問 一覧 次問