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適性科目 令和4年度 Ⅱ-6

   

 技術者にとって安全の確保は重要な使命の1つである。この安全とは,絶対安全を意味するものではなく,リスク(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて,許容不可能なリスクがないことをもって,安全と規定している。この安全を達成するためには,リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスが必要である。安全の確保に関する次の記述のうち,不適切なものはどれか。

① リスク低減反復プロセスでは,評価したリスクが許容可能なレベルとなるまで反復し,その許容可能と評価した最終的な「残留リスク」については,妥当性を確認し文書化する。

② リスク低減とリスク評価に関して,「ALARP」の原理がある。「ALARP」とは,「合理的に実行可能な最低の」を意味する。

③ 「ALARP」が適用されるリスク水準領域において,評価するリスクについては,合理的に実行可能な限り低減するか,又は合理的に実行可能な最低の水準まで低減することが要求される。

④ 「ALARP」の適用に当たっては,当該リスクについてリスク低減をさらに行うことが実際的に不可能な場合,又は費用に比べて改善効果が甚だしく不釣合いな場合だけ,そのリスクは許容可能となる。

⑤ リスク低減方策のうち,設計段階においては,本質的安全設計,ガード及び保護装置,最終使用者のための使用上の情報の3方策があるが,これらの方策には優先順位はない。

 

解答・解説

解答

 ⑤

解説

① リスク低減反復プロセスでは,評価したリスクが許容可能なレベルとなるまで反復し,その許容可能と評価した最終的な「残留リスク」については,妥当性を確認し文書化する。 ⭕️
適切です。

② リスク低減とリスク評価に関して,「ALARP」の原理がある。「ALARP」とは,「合理的に実行可能な最低の」を意味する。 ⭕️
適切です。

③ 「ALARP」が適用されるリスク水準領域において,評価するリスクについては,合理的に実行可能な限り低減するか,又は合理的に実行可能な最低の水準まで低減することが要求される。 ⭕️
適切です。

④ 「ALARP」の適用に当たっては,当該リスクについてリスク低減をさらに行うことが実際的に不可能な場合,又は費用に比べて改善効果が甚だしく不釣合いな場合だけ,そのリスクは許容可能となる。 ⭕️
適切です。

⑤ リスク低減方策のうち,設計段階においては,本質的安全設計,ガード及び保護装置,最終使用者のための使用上の情報の3方策があるが,これらの方策には優先順位はない。 ❌
設計者により講じられる3方策(3ステップメソッド)は,「本質的安全設計」>「ガード及び保護装置」>「最終使用者のための使用上の情報」という優先順位がつけられているため,不適切です。

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