意匠法第3条(意匠登録の要件)、第4条(意匠の新規性の喪失の例外)又は第5条(意匠登録を受けることができない意匠)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
ただし、各設問で言及した規定の該当性のみを判断し、他の登録要件は考慮しないこととする。
- 意匠法第3条の「工業上利用することができる」とは、工業的方法により量産されるものに限られることを意味する。
- 意匠イがインターネット上で公開された場合、日本国内又は外国において不特定又は多数の者に意匠イが現実に知られたという事実が立証されない限り、意匠ロは、意匠イに基づいて容易に創作することができた意匠に該当しない。
- 意匠法第3条第2項の拒絶理由に引用される画像は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られる。
- 意匠の新規性の喪失の例外の適用を受けるための証明書を提出する者が「正当な理由」により意匠法第4条第3項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなった日から14日(在外者にあつては、2月)以内でその期間の経過後6月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。
- 画像の用途にとって不可欠な表示と物品の機能を確保するために不可欠な形状とを組み合わせて創作した意匠は、意匠法第5条第3号に掲げる意匠に該当し、意匠登録を受けることができない。
解答
1
解説
- 意匠法第3条の「工業上利用することができる」とは、工業的方法により量産されるものに限られることを意味する。
⭕️ 意3条
工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。[意3条] - 意匠イがインターネット上で公開された場合、日本国内又は外国において不特定又は多数の者に意匠イが現実に知られたという事実が立証されない限り、意匠ロは、意匠イに基づいて容易に創作することができた意匠に該当しない。
❌ 意3条1項・2項
工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
2 意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは、その意匠(前項各号に掲げるものを除く。)については、同項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。[意3条1項・2項] - 意匠法第3条第2項の拒絶理由に引用される画像は、機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限られる。
❌ 意2条1項、意3条2項
この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。[意2条1項]
意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは、その意匠(前項各号に掲げるものを除く。)については、同項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。[意3条2項] - 意匠の新規性の喪失の例外の適用を受けるための証明書を提出する者が「正当な理由」により意匠法第4条第3項に規定する期間内に証明書を提出することができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなった日から14日(在外者にあつては、2月)以内でその期間の経過後6月以内にその証明書を特許庁長官に提出することができる。
❌ 規定なし
そのような規定はありません。 - 画像の用途にとって不可欠な表示と物品の機能を確保するために不可欠な形状とを組み合わせて創作した意匠は、意匠法第5条第3号に掲げる意匠に該当し、意匠登録を受けることができない。
❌ 意5条3号
次に掲げる意匠については、第三条の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。
三 物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠[意5条3号]