学習塾の通知システムに関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
K社は小中学生を主なターゲットにした個別指導学習塾チェーンであり,全国約200の拠点とそれらを統括する本部で構成されている。保護者の防犯意識の高まりを受けて,生徒が塾に到着したとき(以下,登校という)と帰宅のために塾を退出するとき(以下,下校という)に保護者に電子メール(以下,メールという)で登校・下校(以下,登下校という)を通知するシステム(以下,新システムという)を新たに導入することにした。
〔業務の概要と新システムへの要望〕
K社の拠点は駅前を中心に展開されており,各拠点には30〜100名程度の生徒が所属している。兄弟姉妹で入会する生徒も多いが,それぞれが別の拠点に所属する場合もある。通常の授業は14時から21時まで行われている。
新システムは,保護者からの“子供が無事に塾に到着したのかを知りたい”,“帰宅前に通知が欲しい”といった要望を受けて導入が決まったものであり,拠点長からは次のような要望も寄せられている。
・保護者が生徒の顔を見て安心できるように,登下校を通知するメール(以下,登下校通知メールという)には登下校時に撮影した写真を添付したい。
・夕方のピーク時間帯の授業では,授業開始直前や終了直後に出入口が混雑するので,登下校の手続はスムーズにできるようにしてほしい。
・登下校通知メールの送信が遅延すると保護者に不安を与えるので,可能な限り早く送信したい。 生徒は時々忘れ物をすることがあるが,その場合でも使えるようなシステムにしてほしい。
・登下校の履歴から拠点に在室している生徒数を把握したい。
〔新システムの設計〕
K社情報システム部のL課長は,新システムを次のように設計した。
拠点の出入口に,生徒が登下校の手続を行うためのタブレット端末(以下,登下校用端末という)を設置する。登下校用端末には,拠点ごとに一意の拠点コードを設定しておく。生徒数が多い拠点では,登下校用端末を複数設置してどの端末でも登下校の手続ができるようにする。
本部に管理サーバを設置し,各種マスターや登下校履歴のファイルは管理サーバ内で一元管理する。拠点長及び本部の担当者は,管理サーバに実装するWeb管理画面(以下,管理画面という)にログインして各種管理業務を行う。登下校用端末からは管理サーバ内のファイルにはアクセスしない。登下校用端末が管理サーバから受け取る情報は,依頼した処理の成功又は失敗だけとする。
生徒には1人1枚ずつ生徒カードを配布する。生徒カードには一意の生徒カード番号を割り当て,生徒カード番号のQRコードと生徒氏名を印刷する。
登下校用端末では常時フロントカメラが動作している。生徒が生徒カードをかざすとフロントカメラがQRコードを認識し,その時点の映像を生徒の顔やQRコードを含む写真として撮影する。その上で,QRコードから読み取った生徒カード番号と撮影した写真を管理サーバに送信し,管理サーバで登下校登録と保護者への登下校通知メール送信が行われる。登下校の手続では,登下校用端末上での画面操作は求めず,その日1回目の登下校登録は登校,2回目は下校というように自動判定する。この自動判定は①登下校用端末に実装すると正しく判定できないことがあるので,管理サーバ上に実装することにした。
登下校通知メールの送信がエラーになった場合は,新システムから生徒が所属する拠点の拠点長に通知する。通知を受け取った拠点長は保護者メールアドレスを確認し,必要な対応を行う。
新システムの主要なファイルを表1に示す。
表1 新システムの主要なファイル
管理サーバの主要な機能を表2に示す。
表2 管理サーバの主要な機能
〔上長からの指摘及び追加要望〕
L課長が設計内容を上長に説明したところ,次のような指摘及び追加要望が出された。
・生徒が生徒カードの持参を忘れた場合に,登下校代理登録機能を用いる方法では,一部の要望を実現できない。
・メール送信エラー通知機能で,ある場合に通知すべき拠点を特定できない。
・各拠点から,所属する全ての生徒の保護者に対して臨時休校のお知らせなどを一斉送信する機能を追加したい。本部からも,全拠点又は特定拠点の生徒の保護者に対して各種お知らせを一斉送信できるようにしたい。
・模試や夏期講習などで,臨時で別の拠点の授業を受けることがある。この際も登下校を管理し,登下校通知のメール送信もできるようにしたい。生徒カードは通常の授業と同じものを使いたい。
〔システムの設計変更〕
L課長は上長からの指摘及び追加要望を受け,次のような設計変更を行った。ただし,登下校代理登録機能の指摘に関しては,本システムでの要望の実現は難しいと判断して対応を見送ることにした。
(1)メール送信エラー通知機能の修正
(省略)
(2)お知らせメール送信機能の追加
拠点長及び本部担当者の管理画面において,生徒の保護者に一斉にメール送信できるようにする。拠点長の場合は自拠点に所属する全生徒が,本部担当者の場合は全拠点又は選択した拠点の全生徒が対象となる。件名,本文を入力して送信ボタンを押すことで,対象となるメールアドレス全てにメールが送信される。本機能の導入に当たり,②表2中のある機能を変更する。
また,③他の機能へ悪影響を与える懸念があるので,本機能では専用のメールサーバを新たに導入することにした。
(3)別拠点への登下校への対応
登下校履歴ファイルに,実際に登下校した拠点を示す“拠点コード”属性を追加する。この属性には,登下校登録機能では登下校用端末から受け取った拠点コードを設定し,登下校代理登録機能では拠点長が自拠点の拠点コードを設定する。また,これらの機能のほかにも④二つの機能を変更する。
登下校用端末は,生徒カード番号と撮影した写真に加えて,設定されている拠点コードを管理サーバに送信するように修正する。
設問1 〔新システムの設計〕について,本文中の下線①はどのような場合に起こるか。30字以内で答えよ。
解答・解説
解答例
XXX
解説
ー
設問2 〔上長からの指摘及び追加要望〕について答えよ。
(1)登下校代理登録機能を用いる方法では実現できない要望を25字以内で答えよ。
解答・解説
解答例
XXX
解説
ー
(2)メール送信エラー通知機能で通知すべき拠点を特定できないのはどのような場合か。40字以内で具体的に答えよ。
解答・解説
解答例
XXX
解説
ー
設問3 〔システムの設計変更〕について答えよ。
(1)本文中の下線②について,変更する機能名を表2中から答えよ。また,どのような変更を行うのか。35字以内で答えよ。
解答・解説
解答例
XXX
解説
ー
(2)本文中の下線③で懸念したのはどのような悪影響か。20字以内で答えよ。
解答・解説
解答例
XXX
解説
ー
(3)本文中の下線④について,変更する機能名を表2中から二つ答えよ。また,それらの機能概要をどのように変更するのか。それぞれ40字以内で具体的に答えよ。
解答・解説
解答例
XXX
解説
ー
IPA公開情報
出題趣旨
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採点講評
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