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SA 令和6年度春期 午後Ⅰ 問1

 

システムの統合に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。

 A社は,加工食品の製造・販売を行うメーカーである。このたび,乳飲料の製造・販売を行うB社を吸収合併することになった。合併後も両社はそれぞれの工場で従来どおり製造を継続するが,業務効率化のため,システムは一つに統合することにした。

〔A社とB社の品目と工程の概要〕
 両社は,仕入先から調達を行う原材料,中間工程で製造される仕掛品,最終工程で製造されて得意先へ販売する製品の三つを取り扱っている。原材料,仕掛品,製品のそれぞれに属する品物を品目と呼ぶ。両社の製造工程は,仕込,調合,殺菌,充填の四つの工程から成り立ち,各工程では一つ以上の原材料又は仕掛品を投入し加工して,一つの仕掛品又は製品を製造する。一つの仕掛品又は製品は,一つの工程で製造される。製造の流れを図1に示す。


図1 製造の流れ

 A社は,製品を見込生産しており,製品の製造に数日を要する。製品は数か月間保管が可能であることから,在庫管理を行っている。原材料も在庫管理を行うが,仕掛品は品目によって在庫管理を行うものと行わないものがある。
 B社は,製品を受注生産しており,前日に受注した製品を全て当日に製造する。製品は製造後,直ちに出荷されるので在庫管理を行わない。また,仕掛品も製造後,直ちに次の工程に投入されるので在庫管理を行わない。原材料は表計算ソフトを用いて在庫管理を行っている。

 

〔A社の業務の概要〕
 販売戦略部が策定した製品の販売計画を基に,数か月先までの製品の生産計画を,日別品目単位に立案する。その後,販売実績を加味して,製造日の2週間前に,生産計画を確定する。
 A社では,販売戦略上,製品を生産計画で定めた期日までに効率的に製造することが求められている。翌々週の生産計画に基づいて,充填,殺菌,調合,仕込の順番で各工程の所要時間を計算し,製品及び仕掛品の製造指示,並びに仕掛品及び原材料の投入指示を,工程単位に作成する。各工程の製造指示は,期日に合わせて製造するためには遅くともいつから当該工程の製造を開始しなければいけないかを考えて,開始予定日時を決定した上で作成する。各工程の投入指示は,製造指示数を基に,必要となる原材料や仕掛品の数を計算して作成する。
 各工程の想定所要時間は,製造する数に比例する場合と,数によらないで一定の時間を要する場合がある。数に比例する工程は単位当たり所要時間,一定の時間を要する工程は固定の所要時間が,製造される品目ごとに決まっている。
 また,原材料について,投入指示数と現在の在庫数に基づいて仕入先から調達する数を決定し,納品日別品目単位の発注数を仕入先に送信する。
 製造指示と投入指示に基づいて製造設備に原材料や仕掛品の投入を行い,仕掛品又は製品を製造する。一つの品目は,1日に1回まとめて製造する。
 各工程の終了後すぐに,製造担当者が製造実績及び投入実績を登録する。
 得意先からの受注に基づき製品を出荷する。製品の製造実績,出荷実績を基に製品の在庫管理を行う。

 

A社のシステムの概要
 A社のシステムは,計画システム,生産管理システム,販売管理システム,及びマスター管理システムで構成されている。

(1)計画システムでは生産計画を管理する。販売戦略部が策定した製品の販売計画を取り込む。販売管理システムから販売実績データ及び製品の在庫数を取得し製品の生産数を決定して生産計画データを作成する。

(2)生産管理システムでは,計画システムから翌々週の製品の生産計画データを取得する。製品の生産数を基に,各工程の所要時間を計算して,製品及び仕掛品のエ程単位の製造データを作成し,その製造データを基に,所要量マスターを使って投入品目ごとに投入指示数を決定し,投入データを作成する。全てのデータが出そろったら,製造日時などの重なりを調整して製造データ及び投入データの修正を行う。
 全ての投入データ作成後に,集計した投入指示数を原材料の在庫数から減算した結果が,別途定められた最低在庫数を下回る場合は,仕入先から調達する。仕入先へは,1日に1回,A社で定めた様式の発注書を添付して,電子メールで送信する。
 各工程の製造が終了した時点で,製造担当者がタブレット端末を用いて,製造データ,投入データの実績を登録する。これらの実績を用いて,原材料及び在庫管理が必要な仕掛品について,在庫データを更新する。
 製品の製造工程に関する製造データを,販売管理システムに送信する。また,夜間に工場の稼働率などの管理指標値を集計し,翌日に本社から参照可能にする。

(3)販売管理システムでは,製品の受注,出荷,在庫管理を行う。出荷データ,生産管理システムから受信した製品の製造工程に関する製造データで製品の在庫データを更新する。また,販売実績データ及び製品の在庫数を計画システムに送信する。

(4)マスター管理システムでは,品目マスターや工程マスターなどに設定が必要なデータを入力し,各システムに送信する。

 A社の生産管理システムの主要なファイルと主な属性を表1に示す。

表1 A社の生産管理システムの主要なファイルと主な属性

 品目マスターでは,原材料,仕掛品,製品を区分するために,品目分類を設定して管理している。各品目は,その特性に応じてキログラム,リットル,個といった単位で管理されており,生産数,製造指示数などはその単位で数えた数である。また,品目によっては在庫管理を行わないものがあるので,在庫管理有無フラグを設定して管理している。工程マスターでは,各工場で,全ての工程に,製造品目コード及び工程が一意に決まる工程コードを付与して管理している。

 

〔B社の業務の概要〕
 得意先からの受注に基づき,翌日の製品の生産予定数と翌日の製造の開始予定時刻及び終了予定時刻を,品目単位に立案する。一つの製品を,1日に複数回製造する場合がある。
 翌日の生産予定に基づいた各工程の製造指示を作成する。また各工程で必要となる原材料や仕掛品の数を計算し,投入指示を作成する。
 作成した投入指示を基に,必要な原材料と数を,表計算ソフトを用いて集計する。集計した投入指示数を原材料の在庫数から減算した結果が,別途定められた最低在庫数を下回る場合は,仕入先から調達を行うことにし,発注書を添付して電子メールで送信する。発注書の様式は,各仕入先の要望に応じて表計算ソフトを用いて作成しており,複数の様式が存在する。
 製造指示に基づき仕掛品又は製品を製造し,製品は,製造後に得意先に出荷される。
 製造担当者が,製造現場で製造実績と投入実績を手書きで記録表に記入する。月次処理で,製造実績と投入実績の集計表を出力するために,月末に記録表を参照し,まとめて生産管理システムに入力しているが,転記ミスの発生が問題視されている。また,製造担当者の月末の入力作業の負荷が高いこと,及び本社管理部門で管理指標値が翌月にならないと確認できないことが問題となっている。

 

〔B社のシステムの概要〕
 B社のシステムは,受注出荷システムと生産管理システムで構成されている。

(1)受注出荷システムでは,得意先からEDIを用いて受注データを受信し,得意先ごとの受注データの仕様に合わせたデータ交換プログラムが稼働している。
 受注データは,受注出荷システムに蓄積されるとともに,生産管理システムに送信される。受注出荷システムでは受注修正,出荷実績登録,及びマスターデータの入力を行っている。

(2)生産管理システムでは,製造指示・投入指示作成,原材料調達及び製造実績・投入実績入力並びにマスターデータの入力を行っている。また,製造実績や投入実績を製造の翌月に集計し,本社管理部門に帳票として提供している。

 

システム統合の方針

・B社のシステムは廃止し,A社のシステムに一本化する。

・B社はできるだけ,A社のシステムをそのまま用いる。製品の製造については現行どおりとするが,業務の運用もできるだけA社の運用に合わせる。どうしても対応できない部分に対してだけ,改修や追加を行う。

・B社のマスターは全てA社のマスターに移行する。B社のコードをA社のコードに読み替えるが,A社で使われていないコードは,新たにコードの割当てを行う。品目マスターの移行では,1B社になかった在庫管理有無フラグには,ある規則に従って値を設定する。

・B社の製品を現行どおりに製造できるよう,2ある属性を表中の二つのファイルの主キーに追加する。

・A社の販売管理システムにはEDIの機能がないので,得意先ごとの受注データの仕様に合わせたデータ交換については,B社のEDIの機能に必要な修正を加えた上で,統合後の販売管理システムに取り込む。

・統合後の生産管理システムに,B社の得意先からの受注データを基に,翌日の製造データ及び投入データを作成する機能を追加する。

・B社の原材料調達業務を実施するに当たり,仕入先に変更点を説明して,仕入先に業務手続を変更してもらうよう依頼する。

 

システム稼働後の評価
 統合したシステムの稼働後,合併前にB社で行っていた業務がどのように変わったかを評価し,効果を次のようにまとめた。

・記録表からの転記ミスがなくなり,正確な数字が把握できるようになった。

・③ある作業が削減されたことで,製造担当者の作業の負荷が平準化された。

・本社管理部門における業務の改善が実現できた。

 

設問1 A社の製造データの作成について答えよ。

 

(1)製造指示及び投入指示を作成する際,充填,殺菌,調合,仕込の順番で作成している理由は二つある。その一つは,後工程で算出された仕掛品の投入指示数に基づいてその仕掛品の製造指示数を決めるからである。もう一つの理由を40字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)製造データを作成する際,各工程の想定所要時間はどのように求めるか。時間計算区分が“比例”又は“一定”のそれぞれについて表中の属性と,必要に応じて四則演算子を用いて答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問2 〔システム統合の方針〕について答えよ。

 

(1)本文中の下線①で在庫管理有無フラグの値を設定する規則を,30字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)本文中の下線②で主キーを追加するファイルを二つ答えよ。また,追加が必要になったB社の要件を,30字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(3)B社が,合併後に統合後のシステムを利用して原材料調達業務を実施するに当たり,仕入先に依頼する業務手続上の変更点は何か。25字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

設問3 〔システム稼働後の評価〕について答えよ。

 

(1)本文中の下線③のある作業とは何か。40字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

(2)本社管理部門の業務はどのように改善されたか。その内容を30字以内で答えよ。

 

解答・解説
解答例

 XXX

解説

 ー

 

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