政府が定める“人間中心のAI社会原則”では,三つの価値を理念として尊重し,その実現を追求する社会を構築していくべきとしている。実現を追求していくべき社会の姿だけを全て挙げたものはどれか。
- 持続性ある社会
- 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会
- 人間があらゆる労働から解放される社会
- 人間の尊厳が尊重される社会
- a,b,c
- a,b,d
- a,c,d
- b,c,d
解答
イ
解説
“人間中心のAI社会原則”では、次の通り基本理念が掲げられています。
(1)人間の尊厳が尊重される社会(Dignity)
我々は、AI を利活用して効率性や利便性を追求するあまり、人間が AI に過度に依存したり、人間の行動をコントロールすることに AI が利用される社会を構築するのではなく、人間が AI を道具として使いこなすことによって、人間の様々な能力をさらに発揮することを可能とし、より大きな創造性を発揮したり、やりがいのある仕事に従事したりすることで、物質的にも精神的にも豊かな生活を送ることができるような、人間の尊厳が尊重される社会を構築する必要がある。
(2)多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会(Diversity & Inclusion)
多様な背景と価値観、考え方を持つ人々が多様な幸せを追求し、それらを柔軟に包摂した上で新たな価値を創造できる社会は、現代における一つの理想であり、大きなチャレンジである。AI という強力な技術は、この理想に我々を近づける一つの有力な道具となりえる。我々は AI の適切な開発と展開によって、このように社会のありかたを変革していく必要がある。
(3)持続性ある社会(Sustainability)
我々は、AI の活用によりビジネスやソリューションを次々と生み、社会の格差を解消し、地球規模の環境問題や気候変動などにも対応が可能な持続性のある社会を構築する方向へ展開させる必要がある。科学・技術立国としての我が国は、その科学的・技術的蓄積を AI によって強化し、そのような社会を作ることに貢献する責務がある。
- 持続性ある社会
基本理念として掲げられています。 - 多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会
基本理念として掲げられています。 - 人間があらゆる労働から解放される社会
人間中心のAI社会原則には含まれません。 - 人間の尊厳が尊重される社会
基本理念として掲げられています。