研究活動における不正行為は,研究活動とその成果発表の本質に反するものであるという意味において,科学そのものに対する背信行為であり,また,人々の科学への信頼を揺るがし,科学の発展を妨げるものであることから,研究費の多寡や出所の如何を問わず絶対に許されない。また,不正行為は,研究者の科学者としての存在意義を自ら否定するものであり,自己破壊につながるものでもある。
これらのことを個々の研究者はもとより,科学コミュニティや研究機関,競争的資金の配分機関は理解して,不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない。
「不正行為」に関する次のア〜オの記述について,正しいものは⭕️、誤ってい るものは✖️として,最も適切な組合せはどれか。
- 故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる。投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の担造(ねつぞう),改ざん及び他者の研究成果等の盗用を「特定不正行為」という。
- 特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において,配分機関は、特定不正行為に関与したと認定された研究者及び研究機関に対し,事案に応じて,交付決定の取消し等を行い,また,当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求めることができる。
- 他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する二重投稿,論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップなどは,研究者倫理に反する行為として認識されているが,不正行為ではない。
- 不正行為に対する対応は,研究者の倫理と社会的責任の問題として,その防止と併せ,まずは研究者自らの規律,及び科学コミュニティ,研究機関の自律に基づく自浄作用としてなされなければならない。
- 研究機関において,研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための研究倫理教育を実施することは,研究者倫理を向上させることになるが,不正行為を事前に防止し,公正な研究活動を推進する環境整備とはならない。
| ア | イ | ウ | エ | オ | |
| ① | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ | ⭕️ | ✖️ |
| ② | ⭕️ | ⭕️ | ✖️ | ⭕️ | ✖️ |
| ③ | ⭕️ | ✖️ | ⭕️ | ✖️ | ⭕️ |
| ④ | ✖️ | ⭕️ | ✖️ | ⭕️ | ✖️ |
| ⑤ | ⭕️ | ✖️ | ⭕️ | ✖️ | ✖️ |
解答
②
解説
- 故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる。投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の担造(ねつぞう),改ざん及び他者の研究成果等の盗用を「特定不正行為」という。 ⭕️
正しいです。 - 特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において,配分機関は、特定不正行為に関与したと認定された研究者及び研究機関に対し,事案に応じて,交付決定の取消し等を行い,また,当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求めることができる。 ⭕️
正しいです。 - 他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する二重投稿,論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップなどは,研究者倫理に反する行為として認識されているが,不正行為ではない。 ❌
研究者倫理に反しますし,不正行為にも該当します。 - 不正行為に対する対応は,研究者の倫理と社会的責任の問題として,その防止と併せ,まずは研究者自らの規律,及び科学コミュニティ,研究機関の自律に基づく自浄作用としてなされなければならない。 ⭕️
正しいです。 - 研究機関において,研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための研究倫理教育を実施することは,研究者倫理を向上させることになるが,不正行為を事前に防止し,公正な研究活動を推進する環境整備とはならない。 ❌
不正行為を事前に防止にもなります。