次のa〜eの文は,公共測量における測量作業機関の対応について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の1〜5の中から選べ。
- 局地的な大雨による災害が増えていることから,現地作業に当たっては,気象情報に注意するとともに,作業地域のハザードマップを携行した。
- 測量計画機関から貸与された測量成果などのデータを格納したUSBメモリを紛失した後の対応として,会社にデータのバックアップがあり作業には影響がないことを確認するとともに,速やかに測量計画機関に報告し,その指示を求めた。また,再発防止の措置を講じた。
- 二つの測量計画機関A,Bから同時期に同じ地域での作業を受注した。作業効率を考慮し,Aから貸与された空中写真などの測量成果をBの作業にも使用した。その旨の報告は,A,Bそれぞれの成果納品時に行った。
- 基準点測量を実施する際,観測の支障となる樹木があった。現地作業を予定どおりに終わらせるため,所有者の承諾を得ずに伐採した。現地作業終了後,速やかに所有者に連絡した。
- 現地作業中は,測量計画機関から発行された身分証明書とともに,自社の身分証明書も携帯した。
- a,b
- a,e
- b,d
- c,d
- c,e
解答
4
解説
- ⭕️ 作業規程の準則10条
近年の異常気象を踏まえ、作業員の安全確保のために気象情報の確認やハザードマップを携行することは、安全管理上極めて適切です。
第10条 作業機関は、特に現地での測量作業において、作業者の安全の確保について適切な措置を講じなければならない。
- ⭕️ 作業規程の準則4条
データの紛失は重大なインシデントですが、その後の対応(速やかな報告、指示の仰ぎ、再発防止策の策定)は、測量法や契約上のルールに則った正しい手順です。
第4条 計画機関、作業機関及び作業者は、作業の実施に当たり、財産権、労働、安全、交通、土地利用規制、環境保全、個人情報の保護等に関する法令を遵守し、かつ、これらに関する社会的慣行を尊重しなければならない。
- ❌ 測量法44条1項
貸与された測量成果(空中写真など)は、その業務の目的以外に使用してはいけません。別の機関の作業に転用する場合は、事前に対象機関の承認を得る必要があります。事後報告で済ませることはできません。
第四十四条 公共測量の測量成果を使用して測量を実施しようとする者は、あらかじめ、当該測量成果を得た測量計画機関の承認を得なければならない。
- ❌ 測量法16条(39条で読替準用)
障害となる樹木を伐採する場合は、原則としてあらかじめ所有者の承諾を得るか、困難な場合は市町村長の許可を得る必要があります。「勝手に切って後から連絡する」という対応は法律違反となります。
第十六条 測量機関の長又はその命を受けた者若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するためにやむを得ない必要があるときは、あらかじめ所有者又は占有者の承諾を得て、障害となる植物又はかき、さく等を伐除することができる。
- ⭕️ 測量法15条3項
立ち入り検査等を行う際は、その身分を示す証票(身分証明書)を携帯しなければなりません。計画機関発行のものと自社のものを併せて携帯することは一般的かつ適切な対応です。
第十五条 国土地理院の長又はその命を受けた者若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するために必要があるときは、国有、公有又は私有の土地に立ち入ることができる。
…
3 第一項に規定する者が、同項の規定により土地に立ち入る場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。