次のa~eの文は,公共測量に従事する技術者が留意しなければならないことについて述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
- 水準測量作業中に,標尺が駐車中の自動車に接触しドアミラーを破損してしまった。警察に連絡するとともに,直ちに測量計画機関へも事故について報告した。
- 局地的な大雨による災害や事故が増えていることから,現地作業に当たっては,気象情報に注意するとともに,作業地域のハザードマップを携行した。
- 測量計画機関が発行した身分を示す証明書は大切なものであるから,私有の土地に立ち入る作業において,証明書の原本ではなく証明書のカラーコピーを携帯した。
- 基準点測量を実施する際,所有者に伐採の許可を得てから観測の支障となる樹木を伐採した。
- 測量計画機関から貸与された測量成果などのデータをコピーしたUSBメモリを紛失したが,会社にバックアップがあり作業には影響が無かったため,測量計画機関にはUSBメモリを紛失したことを報告しなかった。
- a,c
- a,d
- b,d
- b,e
- c,e
解答
5
解説
- ⭕️ 作業規程の準則4条
対人・対物事故が発生した際、警察への連絡とあわせて、発注者である「測量計画機関」へ速やかに報告することは、危機管理上の鉄則です。
第4条 計画機関、作業機関及び作業者は、作業の実施に当たり、財産権、労働、安全、交通、土地利用規制、環境保全、個人情報の保護等に関する法令を遵守し、かつ、これらに関する社会的慣行を尊重しなければならない。
- ⭕️ 作業規程の準則10条
安全確保のためにハザードマップを携行し気象状況を把握することは、現在の測量作業において非常に重要なリスク管理です。
第10条 作業機関は、特に現地での測量作業において、作業者の安全の確保について適切な措置を講じなければならない。
- ❌ 測量法15条3項
他人の土地への立ち入り等の際、その身分を示す証票を「携帯しなければならない」と定められています。この証票は「原本」である必要があり、改ざんが容易なカラーコピーでの代用は認められません。
第十五条 国土地理院の長又はその命を受けた者若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するために必要があるときは、国有、公有又は私有の土地に立ち入ることができる。
…
3 第一項に規定する者が、同項の規定により土地に立ち入る場合においては、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。 - ⭕️ 測量法16条
樹木を伐採する際はあらかじめ所有者の承諾を得る必要があります。この対応は適切です。
第十六条 国土地理院の長又はその命を受けた者若しくは委任を受けた者は、基本測量を実施するためにやむを得ない必要があるときは、あらかじめ所有者又は占有者の承諾を得て、障害となる植物又はかき、さく等を伐除することができる。
- ❌ 作業規程の準則4条
たとえバックアップがあり作業が続行可能であっても、貸与されたデータや物品の紛失は「重大なセキュリティ事故」です。隠蔽せず、直ちに測量計画機関に報告し、指示を仰ぐ義務があります。
第4条 計画機関、作業機関及び作業者は、作業の実施に当たり、財産権、労働、安全、交通、土地利用規制、環境保全、個人情報の保護等に関する法令を遵守し、かつ、これらに関する社会的慣行を尊重しなければならない。