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中小企業経営・政策 令和3年度 第29問

 

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 地域団体商標制度は、地域の産品等について、事業者の信用の維持を図り、「地域ブランド」の保護による地域経済の活性化を目的として導入された。
 地域ブランドを商標権で保護することによって、①ブランドが有名になった後、ブランドを生み出した事業者がブランド名を使えなくなることを防ぐ、②蓄積したブランドイメージを横取りされないようにする、③ブランドを産地結集の旗印にするなどの効果が期待できる。

(設問 1 )
 地域団体商標制度に登録するためのポイントに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 一定の地理的範囲の需要者間で、ある程度有名であること
  2. 商標全体が普通名称であること
  3. 商標の構成文字が図案化されていること
  4. 品質基準が明文化された商品であること

(設問 2 )
 地域団体商標制度に登録できる者として、最も不適切なものはどれか

  1. NPO 法人
  2. 商工会
  3. 当該地域で 30 年以上の業歴を有する株式会社
  4. 農業協同組合

解答・解説

解答

 1:ア 2:ウ

解説

設問1

地域団体商標制度に登録ためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 地域の名称と商品・役務の名称を普通に用いられる方法で表示する文字のみからなる商標であること
  • 一定の地理的範囲の需要者間で、ある程度有名であること
  • 当該地域団体が構成員の商品・役務に使用させること
  • 商品・役務の品質が一定の基準を満たしていること
  1. 一定の地理的範囲の需要者間で、ある程度有名であること
    適切です。

  2. 商標全体が普通名称であること
    地域団体商標は、地域名と商品・役務の名称を組み合わせたものが多いため、必ずしも普通名称である必要はありません。

  3. 商標の構成文字が図案化されていること
    商標の構成文字が図案化されていなくても、登録可能です。

  4. 品質基準が明文化された商品であること
    商品・役務の品質基準は明文化されていなくても、登録可能です。ただし、品質が一定程度以上であることが求められます。

設問2

地域団体商標制度に登録できる者は、以下のいずれかに該当する必要があります。

  • 地域団体商標法に規定する地域団体
  • 農業協同組合
  • 水産業協同組合
  • 林業協同組合
  • 商工会
  • 中小企業等協同組合
  • 特定非営利活動法人
  1. NPO 法人
    特定非営利活動法人に該当するため、登録可能です。

  2. 商工会
    商工会は、地域団体商標法に規定する地域団体の一つです。

  3. 当該地域で 30 年以上の業歴を有する株式会社
    地域団体商標法に規定する地域団体に該当せず、登録できません。

  4. 農業協同組合
    農業協同組合は、地域団体商標法に規定する登録できる者の一つです。

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