次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
中小企業の事業承継を円滑に進めるために、①経営の担い手を確保する重要性が高まっている。
中小企業庁が 2016 年に策定した「事業承継ガイドライン」では、事業承継の類型として、親族内承継、役員・従業員承継、社外への引継ぎの 3 つを示し、②事業承継の形態ごとの特徴を指摘している。
また、中小企業庁の分析によれば、 3 つの事業承継の形態に応じて、事業承継した経営者が、後継者を決定する上で重視した資質・能力や有効だと感じた後継者教育にも違いがある。
中小企業診断士をはじめとする支援者が、中小企業の円滑な事業承継を支援するためには、事業承継の形態ごとの、このような特徴や違いも十分に理解したうえで、取り組むことが必要である。
(設問 1 )
文中の下線部①について、総務省「就業構造基本調査」に基づき、年齢階層別にわが国企業の経営の担い手数を 1992 年と 2017 年で比較した場合の記述として、最も適切なものはどれか。
なお、ここでいう経営の担い手とは、会社などの役員又は自営業主をいう。
- 59 歳以下の経営の担い手数、60 歳以上の経営の担い手数とも減少している。
- 59 歳以下の経営の担い手数、60 歳以上の経営の担い手数とも増加している。
- 59 歳以下の経営の担い手数は減少、60 歳以上の経営の担い手数は増加している。
- 59 歳以下の経営の担い手数は増加、60 歳以上の経営の担い手数は減少している。
(設問 2 )
文中の下線部②について、中小企業庁「事業承継ガイドライン」に基づき、事業承継の形態別のメリットを見た場合の記述として、最も適切なものはどれか。
- 「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外部に求めることができ、「役員・従業員承継」は、長期の準備期間の確保が可能であり所有と経営の一体的な承継が期待できる。
- 「親族内承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、「役員・従業員承継」は、経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができる。
- 「親族内承継」は、後継者の社内経験にかかわらず経営方針等の一貫性を保ちやすく、「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外部に求めることができる。
- 「役員・従業員承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、「社外への引継ぎ」は、経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができる。
解答
1:ウ 2:イ
解説
設問1
- 59 歳以下の経営の担い手数、60 歳以上の経営の担い手数とも減少している。
不適切です。 - 59 歳以下の経営の担い手数、60 歳以上の経営の担い手数とも増加している。
不適切です。 - 59 歳以下の経営の担い手数は減少、60 歳以上の経営の担い手数は増加している。
適切です。 - 59 歳以下の経営の担い手数は増加、60 歳以上の経営の担い手数は減少している。
不適切です。
設問2
- 「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外部に求めることができ、「役員・従業員承継」は、長期の準備期間の確保が可能であり所有と経営の一体的な承継が期待できる。
不適切です。 - 「親族内承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、「役員・従業員承継」は、経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができる。
適切です。 - 「親族内承継」は、後継者の社内経験にかかわらず経営方針等の一貫性を保ちやすく、「社外への引継ぎ」は、親族や社内に適任者がいない場合でも広く候補者を外部に求めることができる。
不適切です。 - 「役員・従業員承継」は、一般的に他の方法と比べて内外の関係者から心情的に受け入れられやすく、「社外への引継ぎ」は、経営者としての能力のある人材を見極めて承継することができる。
不適切です。
解答
イ