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企業経営理論 令和2年度 第34問

 

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 企業は、ブランド・エクイティを創出し、維持し、強化するために、自社ブランドの市場状況と製品状況を考慮しながらブランド戦略を展開している。その成果を示す 1 つの指標が、毎年、ブランド価値評価の専門会社から発表される企業ブランド価値ランキングであり、それはランキングが上位であるほど強いブランドであることを示している。

(設問 1 )
 文中の下線部①に関して、以下の表は、自社ブランドの市場状況と製品状況によって、当該ブランドが採るべき戦略を検討する際の戦略枠組みである。自社の既存ブランドが、既存市場において、新たなブランド名を付すことによって再出発を図るというCに該当する戦略として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
 ここでいう市場とは、ニーズや用途を意味する。

  既存製品
既存ブランド 新規ブランド
市場 既存市場 A C
新規市場 B D

〔解答群〕

  1. ブランド・リポジショニング
  2. ブランド開発
  3. ブランド強化
  4. ブランド変更

(設問 2 )
 文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 近年のグローバル版の企業ブランド価値ランキングでは GAFA のような IT企業ブランドが存在感を増す中、日本版の企業ブランド価値ランキングでもモノを中心に据えたブランドではなく、IT 企業ブランドが上位を占めている。
  2. 消費者のブランド選択は、想起集合に含まれる比較的少数のブランドの中から行われる。しかし、近年のブランド数の増加に伴い想起集合サイズは大きくなっているため、強いブランドが想起集合にとどまることは以前より容易になっている。
  3. 成分ブランディングは自社ブランドの品質評価を高める有効な方法である。強いブランドほど、採用した成分ブランドによって良いイメージが生まれるため、 1 つの成分ブランドを採用する。
  4. 同等の製品でも、強いブランドを付した製品は高値で取引されたり売上数量が増加したりするなど、ブランドには顧客の知覚を変化させる機能があり、他のブランドとの違いを生み出す原動力となっている。
  5. ブランド・エクイティとは、「同等の製品であっても、そのブランド名が付いていることによって生じる価値の差」であり、多くのブランド連想を有するほどブランド・エクイティは高くなる。

解答・解説

解答

 1:エ 2:エ

解説

設問1

 適切に穴埋めした表は次の通りです。

  既存製品
既存ブランド 新規ブランド
市場 既存市場 A ブランド変更
新規市場 B D
設問2
  1. 近年のグローバル版の企業ブランド価値ランキングでは GAFA のような IT企業ブランドが存在感を増す中、日本版の企業ブランド価値ランキングでもモノを中心に据えたブランドではなく、IT 企業ブランドが上位を占めている。
    不適切です。

  2. 消費者のブランド選択は、想起集合に含まれる比較的少数のブランドの中から行われる。しかし、近年のブランド数の増加に伴い想起集合サイズは大きくなっているため、強いブランドが想起集合にとどまることは以前より容易になっている。
    不適切です。

  3. 成分ブランディングは自社ブランドの品質評価を高める有効な方法である。強いブランドほど、採用した成分ブランドによって良いイメージが生まれるため、 1 つの成分ブランドを採用する。
    不適切です。

  4. 同等の製品でも、強いブランドを付した製品は高値で取引されたり売上数量が増加したりするなど、ブランドには顧客の知覚を変化させる機能があり、他のブランドとの違いを生み出す原動力となっている。
    適切です。

  5. ブランド・エクイティとは、「同等の製品であっても、そのブランド名が付いていることによって生じる価値の差」であり、多くのブランド連想を有するほどブランド・エクイティは高くなる。
    不適切です。

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