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企業経営理論 令和元年度 第33問

 

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 サービス財には、①無形性、品質の変動性、不可分性、消滅性、需要の変動性といった特徴がある。②サービス組織やサービス提供者は、これらの特徴を踏まえた対応が求められる。

(設問 1 )
 文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか

  1. 「品質の変動性」の対応として、企業には慎重な従業員採用や教育の徹底が求められる。しかしながら、それに代わる機械の導入はサービスの均一化につながり、必然的に顧客の知覚品質は低下する。
  2. 「不可分性」といった特性により、サービス財の流通において、中間業者を活用することができない。そのため、サービス業のチャネルは、有形財と比較して、短く単純なものになる。
  3. 情報管理システムや AI 技術を用いることで、需要に応じてフレキシブルに価格を変動させることが容易になった。「消滅性」「需要の変動性」の対応策として、サービス業者は、これらの仕組みを用いて思い切った値引きを行うべきである。
  4. 美容室のように人が顧客に提供するサービスは、「無形性」「不可分性」を有するため、在庫を持つことや生産場所から他の場所に移動させることが困難である。

(設問 2 )
 文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか

  1. 「サービス・トライアングル」は、顧客・サービス提供者・企業の 3 者の関係性を図示している。中でも顧客とサービス提供者の関係をより密接なものにすることの重要性を説いている。
  2. 「サービス・プロフィット・チェーン」は、顧客満足が顧客ロイヤルティにつながることで事業の収益性が高まることに注目し、企業が顧客に目を向けることの重要性を強調している。
  3. 「逆さまのピラミッド」の図では、マネジャーは現場スタッフを支援する立場にあり、両者の権限関係が製造業と逆転していることが示されている。
  4. 「真実の瞬間」とは、適切なサービスを、顧客が望むタイミングで提供することの重要性を示す概念である。
  5. サービス品質の計測尺度である「サーブクォル(SERVQUAL)」では、サービス利用前と利用後の 2 時点で評価を計測し、それらの差を確認することが推奨されている。

解答・解説

解答

 1:エ 2:オ

解説

設問1
  1. 「品質の変動性」の対応として、企業には慎重な従業員採用や教育の徹底が求められる。しかしながら、それに代わる機械の導入はサービスの均一化につながり、必然的に顧客の知覚品質は低下する。
    不適切です。

  2. 「不可分性」といった特性により、サービス財の流通において、中間業者を活用することができない。そのため、サービス業のチャネルは、有形財と比較して、短く単純なものになる。
    不適切です。

  3. 情報管理システムや AI 技術を用いることで、需要に応じてフレキシブルに価格を変動させることが容易になった。「消滅性」「需要の変動性」の対応策として、サービス業者は、これらの仕組みを用いて思い切った値引きを行うべきである。
    不適切です。

  4. 美容室のように人が顧客に提供するサービスは、「無形性」「不可分性」を有するため、在庫を持つことや生産場所から他の場所に移動させることが困難である。
    適切です。

設問2
  1. 「サービス・トライアングル」は、顧客・サービス提供者・企業の 3 者の関係性を図示している。中でも顧客とサービス提供者の関係をより密接なものにすることの重要性を説いている。
    不適切です。

  2. 「サービス・プロフィット・チェーン」は、顧客満足が顧客ロイヤルティにつながることで事業の収益性が高まることに注目し、企業が顧客に目を向けることの重要性を強調している。
    不適切です。

  3. 「逆さまのピラミッド」の図では、マネジャーは現場スタッフを支援する立場にあり、両者の権限関係が製造業と逆転していることが示されている。
    不適切です。

  4. 「真実の瞬間」とは、適切なサービスを、顧客が望むタイミングで提供することの重要性を示す概念である。
    不適切です。

  5. サービス品質の計測尺度である「サーブクォル(SERVQUAL)」では、サービス利用前と利用後の 2 時点で評価を計測し、それらの差を確認することが推奨されている。
    適切です。

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