資格部

資格・検定の試験情報、対策方法、問題解説などをご紹介

企業経営理論 令和元年度 第32問

 

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

 製品開発を効果的に行うために、多くの場合、企業担当者は①製品開発プロセスを段階的に管理・実行している。それぞれの段階において、②調査や実験を行い③それぞれの分析結果に基づき意思決定を繰り返すことで、新製品の成功確率を高めるよう努めている。

(設問 1 )
 文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 「アイデア・スクリーニング」において、新製品アイデアが多い場合でも取捨選択は十分に時間をかけて慎重に行うべきである。
  2. 「市場テスト」では、実験用仮設店舗を用いて消費者の反応を確認するよりも、実際の市場環境で十分な時間や予算を投入して製品やマーケティング施策をテストするべきである。
  3. 開発中の製品および当該製品と競合する既存製品を対象に、消費者の「知覚マップ」を作成した場合、開発中の製品が空白領域に位置づけられたとしても、その製品に消費者ニーズや市場性があるとは限らない。
  4. 新製品アイデアのスクリーニングの次に、アイデアを具現化させるための試作品開発段階である「プロトタイピング」に移る。製品アイデアを具体的な製品属性に落とし込む作業であるため、通常、技術担当者に全権が委ねられる。
  5. 新製品開発に際して、市場規模を推定することは、製品開発の実現に投じる費用を誤って算定することにつながるため、不要である。

(設問 2 )
 文中の下線部②の調査や実験におけるデータ収集方法に関する記述として、最も適切なものはどれか

  1. 観察法には、実験的条件下の調査対象者の行動を観察する方法や、調査者自らが体験しその体験自体を自己観察する方法が含まれる。
  2. グループインタビューの司会者は、複数の参加者と均一な距離を保つことが求められる。共感を示したり、友好的関係を築こうとしたりしないほうがよい。
  3. デプスインタビューでは、考え方や価値観、行動スタイル、嗜好などを聞くことが可能である。また、グループインタビューと比較すると、他の参加者の影響を受けにくく、一人当たりの調査コスト(金銭および時間)は低い。
  4. リード・ユーザー法は、例えば、市場の規模や競合に対する競争力を確認するために、主として検証的調査で用いられる。

(設問 3 )文中の下線部③の分析方法に関する記述として、最も適切なものはどれか

  1. 2 つの要素間の因果関係は、相関係数を算出することによって確認できる。
  2. 異なる性質を持つ対象が混在しているとき、クラスター分析を用いて、似ている対象から構成される相互に排他的なグループに分類することがある。
  3. 順序尺度で測定された回答の集計では、一般的に、中央値と平均値が算出される。
  4. 例えば、特定店舗での消費金額に男女で差があるのかを確認したいときには、男女それぞれが消費する金額の平均値を求め、それらの平均値の間に統計的有意差があるといえるのかを、カイ二乗検定を用いて調べるとよい。

解答・解説

解答

 1:ウ 2:ア 3:イ

解説

設問1
  1. 「アイデア・スクリーニング」において、新製品アイデアが多い場合でも取捨選択は十分に時間をかけて慎重に行うべきである。
    不適切です。

  2. 「市場テスト」では、実験用仮設店舗を用いて消費者の反応を確認するよりも、実際の市場環境で十分な時間や予算を投入して製品やマーケティング施策をテストするべきである。
    不適切です。

  3. 開発中の製品および当該製品と競合する既存製品を対象に、消費者の「知覚マップ」を作成した場合、開発中の製品が空白領域に位置づけられたとしても、その製品に消費者ニーズや市場性があるとは限らない。
    適切です。

  4. 新製品アイデアのスクリーニングの次に、アイデアを具現化させるための試作品開発段階である「プロトタイピング」に移る。製品アイデアを具体的な製品属性に落とし込む作業であるため、通常、技術担当者に全権が委ねられる。
    不適切です。

  5. 新製品開発に際して、市場規模を推定することは、製品開発の実現に投じる費用を誤って算定することにつながるため、不要である。
    不適切です。

設問2
  1. 観察法には、実験的条件下の調査対象者の行動を観察する方法や、調査者自らが体験しその体験自体を自己観察する方法が含まれる。
    適切です。

  2. グループインタビューの司会者は、複数の参加者と均一な距離を保つことが求められる。共感を示したり、友好的関係を築こうとしたりしないほうがよい。
    不適切です。

  3. デプスインタビューでは、考え方や価値観、行動スタイル、嗜好などを聞くことが可能である。また、グループインタビューと比較すると、他の参加者の影響を受けにくく、一人当たりの調査コスト(金銭および時間)は低い。
    不適切です。

  4. リード・ユーザー法は、例えば、市場の規模や競合に対する競争力を確認するために、主として検証的調査で用いられる。
    不適切です。

設問3
  1. 2 つの要素間の因果関係は、相関係数を算出することによって確認できる。
    不適切です。

  2. 異なる性質を持つ対象が混在しているとき、クラスター分析を用いて、似ている対象から構成される相互に排他的なグループに分類することがある。
    適切です。

  3. 順序尺度で測定された回答の集計では、一般的に、中央値と平均値が算出される。
    不適切です。

  4. 例えば、特定店舗での消費金額に男女で差があるのかを確認したいときには、男女それぞれが消費する金額の平均値を求め、それらの平均値の間に統計的有意差があるといえるのかを、カイ二乗検定を用いて調べるとよい。
    不適切です。

前問 一覧 次問