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企業経営理論 令和元年度 第12問

 

 S.G.ブランクが構築した「顧客開発」モデルは、顧客ニーズの把握が不十分、かつ顧客の特定化が困難な場合に、仮説の検証を素早く繰り返すことによって、学習を通して、新しいビジネスの成功率を高めようとするモデルであり、それを発展させたものが、E.リースによって提唱された「リーン・スタートアップ」モデルである。
 「リーン・スタートアップ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. リーン・スタートアップでは、戦略を検証する実験によって、その実験段階の製品やサービスが失敗に終わった場合、ビジョンを実現するためには、それまでの開発コストが無駄になっても、戦略の方向転換(ピボット)が必要であるとしている。
  2. リーン・スタートアップでは、不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出すスタートアップのプロセスを、戦略を検証する実験の連続と捉えており、その実験回数をあらかじめ制限しておくことが、成功の伴と捉えている。
  3. リーン・スタートアップは、①顧客ニーズにかかる「仮説」を立てること、②顧客ニーズを満たすアイデアを「製品化」すること、③製品化したものを消費者に「提供」すること、④新たな顧客を次々に「開拓」することの 4 つのプロセスを直線的に進めていくものである。
  4. リーン・スタートアップは、新規事業の製品やサービス、対象となる顧客、販売方法などが詳細に記述されたビジネス・プランを構築し、そのビジネス・プランに従って新規事業を進めていくプロセスである。

解答・解説

解答

 ア

解説

  1. リーン・スタートアップでは、戦略を検証する実験によって、その実験段階の製品やサービスが失敗に終わった場合、ビジョンを実現するためには、それまでの開発コストが無駄になっても、戦略の方向転換(ピボット)が必要であるとしている。
    適切です。

  2. リーン・スタートアップでは、不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出すスタートアップのプロセスを、戦略を検証する実験の連続と捉えており、その実験回数をあらかじめ制限しておくことが、成功の伴と捉えている。
    実験回数をあらかじめ制限しておくことは、リーン・スタートアップにそぐわない方法です。

  3. リーン・スタートアップは、①顧客ニーズにかかる「仮説」を立てること、②顧客ニーズを満たすアイデアを「製品化」すること、③製品化したものを消費者に「提供」すること、④新たな顧客を次々に「開拓」することの 4 つのプロセスを直線的に進めていくものである。
    リーン・スタートアップは、プロセスを直線的に進めるものではありません。

  4. リーン・スタートアップは、新規事業の製品やサービス、対象となる顧客、販売方法などが詳細に記述されたビジネス・プランを構築し、そのビジネス・プランに従って新規事業を進めていくプロセスである。
    リーン・スタートアップは、詳細なビジネス・プランを構築して進めていくものではありません。

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