総需要-総供給分析の枠組みで、財政・金融政策の効果と有効性を考える。下記の設問に答えよ。
(設問 1 )
「流動性のわな」の状況下にあるときの LM 曲線は、下図のように水平になる。このときの総需要曲線に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- 物価が下落しても、利子率が低下しないため、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。
- 物価が下落すると、利子率が低下して、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
- 物価が下落すると、利子率は低下しないが、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
- 物価が下落すると、利子率は低下するが、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。
(設問 2 )
「流動性のわな」の状況下における財政政策と金融政策の効果と有効性に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 政府支出を増加させても、クラウディング・アウトによって総需要は不変である。したがって、物価水準も実質 GDP も当初の水準から変化しない。
b 政府支出の増加は、総需要を拡大させる。その結果、物価水準が上昇し、実質 GDP も増加する。
c 名目貨幣供給の増加は、総需要を変化させない。したがって、物価水準も実質 GDP も当初の水準から変化しない。
d 名目貨幣供給の増加は、総需要を拡大させる。その結果、物価水準が上昇し、実質 GDP も増加する。
〔解答群〕
- aとc
- aとd
- bとc
- bとd
解答
1:ア 2:ウ
解説
設問1
- 物価が下落しても、利子率が低下しないため、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。
適切です。 - 物価が下落すると、利子率が低下して、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
不適切です。 - 物価が下落すると、利子率は低下しないが、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
不適切です。 - 物価が下落すると、利子率は低下するが、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。
不適切です。
設問2
- 政府支出を増加させても、クラウディング・アウトによって総需要は不変である。したがって、物価水準も実質 GDP も当初の水準から変化しない。
不適切です。 - 政府支出の増加は、総需要を拡大させる。その結果、物価水準が上昇し、実質 GDP も増加する。
適切です。 - 名目貨幣供給の増加は、総需要を変化させない。したがって、物価水準も実質 GDP も当初の水準から変化しない。
適切です。 - 名目貨幣供給の増加は、総需要を拡大させる。その結果、物価水準が上昇し、実質 GDP も増加する。
不適切です。