管理図に関する次の文章において, 内に入るもっとも適切なものを下欄の選択肢からひとつ選べ。ただし,各選択肢を複数回用いることはない。
ある会社では製造工程を管理図を用いて管理している。群の大きさは1日とし,1日あたり10個の製品をサンプリングして管理図を描いている。今回,2つある工場,A工場とB工場で製品の特性値に違いがある懸念があった。1日あたりA工場とB工場からそれぞれ5個の製品をサンプリングしたので,工場で層別した管理図も作成した。
これらの管理図から,次の事項が読み取れる。
① 長い連が確認できるのは (1) である。
② 中心傾向が確認できるのは (2) である。
③ 管理限界線を外れる点が確認できるのは (3) である。
④ A工場とB工場で値が大きく異なるのは (4) である。
⑤ 今後の管理については, (5) のが望ましい。
(1)〜(3)の選択肢
- 全体のX管理図
- 全体のR管理図
- A工場のX管理図
- A工場のR管理図
- B工場のX管理図
- B工場のR管理図
(4)〜(5)の選択肢
- 母平均
- 母分散
- 工場別に管理図を作成する
- 全体の管理図を継続利用する
解答
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
ウ | ア | エ | ア | ウ |
解説
① 長い連が確認できるのは A工場のX管理図 である。
連は,中心線(CL)を挟んだどちらか一方の側に連続して点が並ぶ状態をいいます。
グラフを見ると,明らかにA工場のX管理図が,下側に連続して点が並んでいることがわかります。
② 中心傾向が確認できるのは 全体のX管理図 である。
中心傾向は,中心線(CL)と管理限界線(UCL or LCL)との間において,中心線寄りの1/3間に連続して点が並ぶ状態をいいます。
グラフを見ると,明らかに全体のX管理図が,該当することがわかります。
③ 管理限界線を外れる点が確認できるのは A工場のR管理 である。
管理限界線を超えているのは,A工場のR管理図であることが明らかです。
④ A工場とB工場で値が大きく異なるのは 母平均 である。
X管理図に着目すると,A工場とB工場のCLが大きくずれていることがわかります。これは母平均が大きく異なっていることを表します。
なお,母分散の差異はR管理図のCLで判断しますが,A工場とB工場に違いはありません。
⑤ 今後の管理については, 工場別に管理図を作成する のが望ましい。
母平均に違いがあることから,工場別に管理図を作成するのが適切です。