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適性科目 令和元年度再試験 Ⅱ-6

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 日本学術会議は,科学者が,社会の信頼と負託を得て,主体的かつ自律的に科学研究を進め,科学の健全な発達を促すため,平成18年10月3日に,すべての学術分野に共通する基本的な規範である声明「科学者の行動規範について」を決定,公表した。
 その後,データのねつ造や論文盗用といった研究活動における不正行為の事案が発生したことや,東日本大震災を契機として科学者の責任の問題がクローズアップされたこと,いわゆるデュアルユース問題について議論が行われたことから,平成25年1月25日,同声明の改訂が行われた。次の「科学者の行動規範」に関する(ア)〜(エ)の記述について,正しいものは⭕️,誤っているものは❌として,最も適切な組合せはどれか。

  1. 「科学者」とは,所属する機関に関わらず,人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において,新たな知識を生み出す活動,あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者,専門職業者を意味する。
  2. 科学者は,常に正直,誠実に行動し,自らの専門知識・能力・技芸の維持向上に努め,科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力を払う。
  3. 科学者は,自らの研究の成果が,科学者自身の意図に反して悪用される可能性のある場合でも,社会の発展に寄与すると判断される場合は,速やかに研究の実施,成果の公表を積極的に行うよう努める。
  4. 科学者は,責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し,科学者コミュニティ及び自らの所属組織の研究環境の質的向上,並びに不正行為抑止の教育啓発に継続的に取組む。
 
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解答・解説

解答

 ④

解説

  1. 「科学者」とは,所属する機関に関わらず,人文・社会科学から自然科学までを包含するすべての学術分野において,新たな知識を生み出す活動,あるいは科学的な知識の利活用に従事する研究者,専門職業者を意味する。 ⭕️
    正しいです。

  2. 科学者は,常に正直,誠実に行動し,自らの専門知識・能力・技芸の維持向上に努め,科学研究によって生み出される知の正確さや正当性を科学的に示す最善の努力を払う。 ⭕️
    正しいです。

  3. 科学者は,自らの研究の成果が,科学者自身の意図に反して悪用される可能性のある場合でも,社会の発展に寄与すると判断される場合は,速やかに研究の実施,成果の公表を積極的に行うよう努める。 ❌
    誤りです。
    科学者の行動規範(日本学術会議)には,次の通り定められています。
    (科学研究の利用の両義性)
    科学者は、自らの研究の成果が、科学者自身の意図に反して、破壊的行為に悪用される可能性もあることを認識し、研究の実施、成果の公表にあたっては、社会に許容される適切な手段と方法を選択する。


  4. 科学者は,責任ある研究の実施と不正行為の防止を可能にする公正な環境の確立・維持も自らの重要な責務であることを自覚し,科学者コミュニティ及び自らの所属組織の研究環境の質的向上,並びに不正行為抑止の教育啓発に継続的に取組む。 ⭕️
    正しいです。