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適性科目 令和元年度 Ⅱ-8

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 平成24年12月2日,中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故が発生した。このような事故を二度と起こさないよう,国土交通省では,平成25年を「社会資本メンテナンス元年」と位置付け,取組を進めている。平成26年5月には,国土交通省が管理・所管する道路・鉄道・河川・ダム・港湾等のあらゆるインフラの維持管理・更新等を着実に推進するための中長期的な取組を明らかにする計画として,「国土交通省インフラ長寿命化計画(行動計画)」を策定した。この計画の具体的な取組の方向性に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 全点検対象施設において点検・診断を実施し,その結果に基づき,必要な対策を適切な時期に,着実かつ効率的・効果的に実施するとともに,これらの取組を通じて得られた施設の状態や情報を記録し,次の点検・診断に活用するという「メンテナンスサイクル」を構築する。

② 将来にわたって持続可能なメンテナンスを実施するために,点検の頻度や内容等は全国一律とする。

③ 点検・診断,修繕・更新等のメンテナンスサイクルの取組を通じて,順次,最新の劣化・損傷の状況や,過去に蓄積されていない構造諸元等の情報収集を図る。

④ メンテナンスサイクルの重要な構成要素である点検・診断については,点検等を支援するロボット等による機械化,非破壊・微破壊での検査技術,ICTを活用した変状計測等新技術による高度化,効率化に重点的に取組む。

⑤ 点検・診断等の業務を実施する際に必要となる能力や技術を,国が施設分野・業務分野ごとに明確化するとともに,関連する民間資格について評価し,当該資格を必要な能力や技術を有するものとして認定する仕組みを構築する。

 

解答・解説

解答

 ②

解説

① 全点検対象施設において点検・診断を実施し,その結果に基づき,必要な対策を適切な時期に,着実かつ効率的・効果的に実施するとともに,これらの取組を通じて得られた施設の状態や情報を記録し,次の点検・診断に活用するという「メンテナンスサイクル」を構築する。
適切です。

② 将来にわたって持続可能なメンテナンスを実施するために,点検の頻度や内容等は全国一律とする。
地域により環境や条件は様々であり,全国一律とするのは不適切です。

③ 点検・診断,修繕・更新等のメンテナンスサイクルの取組を通じて,順次,最新の劣化・損傷の状況や,過去に蓄積されていない構造諸元等の情報収集を図る。
適切です。

④ メンテナンスサイクルの重要な構成要素である点検・診断については,点検等を支援するロボット等による機械化,非破壊・微破壊での検査技術,ICTを活用した変状計測等新技術による高度化,効率化に重点的に取組む。
適切です。

⑤ 点検・診断等の業務を実施する際に必要となる能力や技術を,国が施設分野・業務分野ごとに明確化するとともに,関連する民間資格について評価し,当該資格を必要な能力や技術を有するものとして認定する仕組みを構築する。
適切です。