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適性科目 平成30年度 Ⅱ-8

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 2004年,公益通報者を保護するために,公益通報者保護法が制定された。公益通報には,事業者内部に通報する内部通報と行政機関及び企業外部に通報する外部通報としての内部告発とがある。企業不祥事を告発することは、企業内のガバナンスを引き締め,消費者や社会全体の利益につながる側面を持っているが,同時に,企業の名誉・信用を失う行為として懲戒処分の対象となる側面も持っている。
 公益通報者保護法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① 公益通報者保護法が保護する公益通報は、不正の目的ではなく,労務提供先等について「通報対象事実」が生じ,又は生じようとする旨を,「通報先」に通報することである。

② 公益通報者保護法は,保護要件を満たして「公益通報」した通報者が,解雇その他の不利益な取扱を受けないようにする目的で制定された。

③ 公益通報者保護法が保護する対象は,公益通報した労働者で,労働者には公務員は含まれない。

④ 保護要件は,事業者内部(内部通報)に通報する場合に比較して,行政機関や事業者外部に通報する場合は,保護するための要件が厳しくなるなど,通報者が通報する通報先によって異なっている。

⑤ マスコミなどの外部に通報する場合は,通報対象事実が生じ,又は生じようとしていると信じるに足りる相当の理由があること,通報対象事実を通報することによって発生又は被害拡大が防止できることに加えて,事業者に公益通報したにもかかわらず期日内に当該通報対象事実について当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がないこと,内部通報や行政機関への通報では危害発生や緊迫した危険を防ぐことができないなどの要件が求められる。

解答・解説

解答

 ③

解説

① 公益通報者保護法が保護する公益通報は、不正の目的ではなく,労務提供先等について「通報対象事実」が生じ,又は生じようとする旨を,「通報先」に通報することである。
適切です。

② 公益通報者保護法は,保護要件を満たして「公益通報」した通報者が,解雇その他の不利益な取扱を受けないようにする目的で制定された。
適切です。

③ 公益通報者保護法が保護する対象は,公益通報した労働者で,労働者には公務員は含まれない。
不適切です。公益通報者保護法の保護対象には,公務員も含まれます。

④ 保護要件は,事業者内部(内部通報)に通報する場合に比較して,行政機関や事業者外部に通報する場合は,保護するための要件が厳しくなるなど,通報者が通報する通報先によって異なっている。
適切です。

⑤ マスコミなどの外部に通報する場合は,通報対象事実が生じ,又は生じようとしていると信じるに足りる相当の理由があること,通報対象事実を通報することによって発生又は被害拡大が防止できることに加えて,事業者に公益通報したにもかかわらず期日内に当該通報対象事実について当該労務提供先等から調査を行う旨の通知がないこと,内部通報や行政機関への通報では危害発生や緊迫した危険を防ぐことができないなどの要件が求められる。
適切です。