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適性科目 平成27年度 Ⅱ-8

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 これまでの日本における実験ノート(ラボノート)の扱いは,研究者個人の「実験の記録」又は「備忘録」として扱われることが多く,「個人にとってわかりやすい,使いやすいものであればよい」という考え方が主流であった。
 しかし「STAP細胞」をめぐる論文の不正疑惑を契機として,担造,改ざん,盗用など研究活動の不正行為等に関わる調査において,実験ノートのあり方が注目されている。
 科学倫理,研究倫理の観点で,実験ノートに関する次のア)〜オ)の記述について,正しいものは◯,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。

  1. 実験ノートは原則として綴じてあるスタイルのものを使用し,記載はペンやボールペンなど消せないものを使用する。
  2. 実験ノートは特許紛争の回避や特許所有権の明確化にも効果的である。このため,大学や研究機関だけでなく,企業の研究者も活用することが望ましい。
  3. 研究機関は研究者に対して一定期間研究データを保存し,必要な場合に開示することを義務付ける旨の規程を設けることが求められている。
  4. 実験ノートはわかりやすさと正確さが最も重要であり,あいまいな表現や記載に誤りがある場合は,そのページを廃棄して見やすく修正することが望ましい。
  5. 実験ノートは研究者個人に帰属するものであるため,研究者が別の研究機関に異動する場合,実験ノートは個人の判断で持ち出してもよい。
 
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解答・解説

解答

 ①

解説

  1. 実験ノートは原則として綴じてあるスタイルのものを使用し,記載はペンやボールペンなど消せないものを使用する。 ⭕️
    適切です。

  2. 実験ノートは特許紛争の回避や特許所有権の明確化にも効果的である。このため,大学や研究機関だけでなく,企業の研究者も活用することが望ましい。 ⭕️
    適切です。

  3. 研究機関は研究者に対して一定期間研究データを保存し,必要な場合に開示することを義務付ける旨の規程を設けることが求められている。 ⭕️
    適切です。

  4. 実験ノートはわかりやすさと正確さが最も重要であり,あいまいな表現や記載に誤りがある場合は,そのページを廃棄して見やすく修正することが望ましい。 ❌
    修正は箇所が分かるようにしておくことが望ましいため,不適切です。

  5. 実験ノートは研究者個人に帰属するものであるため,研究者が別の研究機関に異動する場合,実験ノートは個人の判断で持ち出してもよい。 ❌<
    個人判断での持ち出しは,不適切です。