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適性科目 平成26年度 Ⅱ-13

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 平成24年12月に発生した「笹子トンネル天井板落下事故」を契機に,インフラストラクチャー(社会資本)の老朽化と,適切な維持管理の必要性が議論されている。これまでもインフラストラクチャーの維持管理や更新は順次,行われてきていたが,その活動を加速し,増強していくことが急務であるとされている。
 これらを踏まえた,近年のインフラストラクチャーの老朽化対策や維持管理の認識に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

① インフラストラクチャーは時代を問わず整備がなされてきたが,高度経済成長期には集中的に整備が進んだ。これらのインフラストラクチャーが数十年を経過し,今後急速に老朽化が進むことによる維持管理,修繕費の急激な増大が問題視されている。

② 計画的な維持管理・修繕計画の立案により,長期的な維持管理費の平準化とインフラストラクチャーを性能面で見た利用者性能の保持を図ることが可能になる。

③ 長期的な維持管理を支えるためには,現場での点検作業や修繕等に係わる人材の確保や技術力の向上が不可欠であるとともに,目視等のこれまでの手法では確認困難であった損傷を的確に点検・診断・対処する新技術の導入が期待されている。

④ これまでに十分な点検や修繕が実施されてきていない施設や,維持管理に必要な諸元等の情報が管理されていないインフラストラクチャーも多いことから,維持管理・修繕・更新に係る情報の整備が必要とされている。

⑤ インフラストラクチャーは市民の共有財産であり,有効な維持管理が行われることに伴う恩恵も市民が享受するものである。しかし,インフラストラクチャーの適切な維持管理・更新は行政が責任を持って行うものであり,地域住民の自主管理や民間ボランティアを活用することは禁止されている。

 

解答・解説

解答

 ⑤

解説

① インフラストラクチャーは時代を問わず整備がなされてきたが,高度経済成長期には集中的に整備が進んだ。これらのインフラストラクチャーが数十年を経過し,今後急速に老朽化が進むことによる維持管理,修繕費の急激な増大が問題視されている。 ⭕️
適切です。

② 計画的な維持管理・修繕計画の立案により,長期的な維持管理費の平準化とインフラストラクチャーを性能面で見た利用者性能の保持を図ることが可能になる。 ⭕️
適切です。

③ 長期的な維持管理を支えるためには,現場での点検作業や修繕等に係わる人材の確保や技術力の向上が不可欠であるとともに,目視等のこれまでの手法では確認困難であった損傷を的確に点検・診断・対処する新技術の導入が期待されている。 ⭕️
適切です。

④ これまでに十分な点検や修繕が実施されてきていない施設や,維持管理に必要な諸元等の情報が管理されていないインフラストラクチャーも多いことから,維持管理・修繕・更新に係る情報の整備が必要とされている。 ⭕️
適切です。

⑤ インフラストラクチャーは市民の共有財産であり,有効な維持管理が行われることに伴う恩恵も市民が享受するものである。しかし,インフラストラクチャーの適切な維持管理・更新は行政が責任を持って行うものであり,地域住民の自主管理や民間ボランティアを活用することは禁止されている。 ❌
地域住民・ボランティアの協力が求められているため,不適切です。