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適性科目 平成26年度 Ⅱ-11

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 食品の安全性を確保する手法としてリスクアナリシスが,FAO(国連食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)により提示され,その3つの要素であるリスク評価,リスク管理とリスクコミュニケーションを一体として進めるべきである,とされている。
 リスクアナリシスでは,どのような危害が生じるのか,また,どの程度食べると危害が生じるのかを明らかにする「リスク評価」と,人々の心配の程度や,費用と効果の関係,食品がもたらす健康への思恵,社会的な影響などを考慮しながら,リスクを低減する措置を講ずる「リスク管理」,そしてリスク評価の妥当性やリスク管理の手法について情報を共有し,各々の立場からの意見を交換し,理解し,協同,協力する「リスクコミュニケーション」の3つが重要とされている。
 食分野のリスクアナリシスにおける関係者の役割に関する次のア)〜オ)の記述について,正しいものは◯,誤っているものは×として,最も適切な組合せはどれか。

  1. リスク評価は行政や生産・流通業者が,リスク管理は科学者が中心になって行い,食品の安全性を確保する。リスクコミュニケーションでは,消費者が安心を得るために情報を得るだけでなく,消費者から意見を述べ,要望を伝えるなど,これらの取組に積極的に参加することが大切である。
  2. リスクコミュニケーションにおける国の役割は,食品の安全性の確保のため情報を収集,整理し,提供するほか,意見交換の場の設定などがある。また地方公共団体には,地域に固有の具体的な対応もテーマとして取り上げることも求められる。
  3. リスクコミュニケーションにおける食品関連事業者の役割は,生産,輸入,流通,販売などの業態を問わず,食を提供する者は顧客の生命や健康に直接関わっているという認識を持って,関係者間の連携とコミュニケーションを図ることである。
  4. リスクコミュニケーションにおける消費者の役割は,自らの権利を行使して,食品のリスク評価や管理に適切に参加するために,必要な情報が容易に得られるシステムや意見の表明ができる場と機会を作ることを求め,意見を表明していくことである。
  5. リスクコミュニケーションにおける科学者や専門家の役割は,説明責任があるという認識を深めて,積極的に食の安全に関するリスクコミュニケーションに参加し,食品の安全性の確保に関する科学的な情報をわかりやすく提供することである。
 
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解答・解説

解答

 ①

解説

  1. リスク評価は行政や生産・流通業者が,リスク管理は科学者が中心になって行い,食品の安全性を確保する。リスクコミュニケーションでは,消費者が安心を得るために情報を得るだけでなく,消費者から意見を述べ,要望を伝えるなど,これらの取組に積極的に参加することが大切である。 ❌
    リスク評価は食品安全委員会(国際的にはFAO・WHO),リスク管理は農林水産省、厚生労働省(国際的にはコーデックス委員会)が行うとされているため,不適切です。

  2. リスクコミュニケーションにおける国の役割は,食品の安全性の確保のため情報を収集,整理し,提供するほか,意見交換の場の設定などがある。また地方公共団体には,地域に固有の具体的な対応もテーマとして取り上げることも求められる。 ⭕️
    適切です。

  3. リスクコミュニケーションにおける食品関連事業者の役割は,生産,輸入,流通,販売などの業態を問わず,食を提供する者は顧客の生命や健康に直接関わっているという認識を持って,関係者間の連携とコミュニケーションを図ることである。 ⭕️
    適切です。

  4. リスクコミュニケーションにおける消費者の役割は,自らの権利を行使して,食品のリスク評価や管理に適切に参加するために,必要な情報が容易に得られるシステムや意見の表明ができる場と機会を作ることを求め,意見を表明していくことである。 ⭕️
    適切です。

  5. リスクコミュニケーションにおける科学者や専門家の役割は,説明責任があるという認識を深めて,積極的に食の安全に関するリスクコミュニケーションに参加し,食品の安全性の確保に関する科学的な情報をわかりやすく提供することである。 ⭕️
    適切です。