金属材料の腐食に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
① 金属材料の腐食には,空気や反応生成ガス,燃焼ガスなどのガス中で生じる乾食と,水などの液体中で生じる湿食がある。
② 金属の中には,イオン化傾向から判断されるよりはるかに化学的安定性の高いものがあるが,それらの金属が化学的に安定な理由は,酸化物が金属の表面に強固に結合して不動態皮膜を形成しやすいからである。
③ 一般に,ステンレス鋼は表面に強固な不動態皮膜を形成するので,炭素鋼よりも海水中の用途に適している。
④ 応力腐食割れとは,腐食作用と引張り応力の共同作用で,引張り強さ以下の応力で材料が割れてしまう現象である。
⑤ 水素脆化とは,原子状の水素が金属内に入り拡散して,格子欠陥など特異な場所に集まり,金属を脆くする現象である。
解答
③
解説
① 金属材料の腐食には,空気や反応生成ガス,燃焼ガスなどのガス中で生じる乾食と,水などの液体中で生じる湿食がある。
適切です。
② 金属の中には,イオン化傾向から判断されるよりはるかに化学的安定性の高いものがあるが,それらの金属が化学的に安定な理由は,酸化物が金属の表面に強固に結合して不動態皮膜を形成しやすいからである。
適切です。
③ 一般に,ステンレス鋼は表面に強固な不動態皮膜を形成するので,炭素鋼よりも海水中の用途に適している。
不動態皮膜は海水(塩化イオン)には弱いため,不適切です。
④ 応力腐食割れとは,腐食作用と引張り応力の共同作用で,引張り強さ以下の応力で材料が割れてしまう現象である。
適切です。
⑤ 水素脆化とは,原子状の水素が金属内に入り拡散して,格子欠陥など特異な場所に集まり,金属を脆くする現象である。
適切です。
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