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弁理士 条約 R2-9

 

 知的所有権の貿易関連の側面に関する協定に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 一般的な性格を有さず、かつ、知的所有権の保護に特に限定される司法共助又は法の執行に関する国際協定に基づいて、加盟国が与える利益、特典、特権又は免除は、最恵国待遇を与える義務から除外される。
  2. 加盟国は、商標権者及び第三者の正当な利益を考慮して、商標により与えられる権利につき、記述上の用語の公正な使用に関して限定的な例外を定めなければならない。
  3. 加盟国は、繊維の意匠の保護を確保するための要件、特に、費用、審査又は公告に関する要件が保護を求め又は取得する機会を不当に害さないことを確保する。
  4. 加盟国は、人又は動物の治療のための診断方法、治療方法及び外科的方法を特許の対象から除外することはできない。
  5. 加盟国は、知的所有権の保護の対象であって、その取引が知的所有権の侵害を伴うことを関係者が知るか又は知ることができる合理的な理由を有することとなる前に当該関係者により取得され又は注文されたものに関して、司法当局に対し、知的所有権を侵害しないことを当該関係者に命じる権限を与える義務を負う。

解答・解説

解答

 3

解説

  1. 一般的な性格を有さず、かつ、知的所有権の保護に特に限定される司法共助又は法の執行に関する国際協定に基づいて、加盟国が与える利益、特典、特権又は免除は、最恵国待遇を与える義務から除外される。
    ❌ TRIPS4条(a)
    知的所有権の保護に関し,加盟国が他の国の国民に与える利益,特典,特権又は免除は,他のすべての加盟国の国民に対し即時かつ無条件に与えられる。加盟国が与える次の利益,特典,特権又は免除は,そのような義務から除外される。
    (a) 一般的な性格を有し,かつ,知的所有権の保護に特に限定されない司法共助又は法の執行に関する国際協定に基づくもの[TRIPS4条(a)]

  2. 加盟国は、商標権者及び第三者の正当な利益を考慮して、商標により与えられる権利につき、記述上の用語の公正な使用に関して限定的な例外を定めなければならない。
    ❌ TRIPS17条
    加盟国は,商標権者及び第三者の正当な利益を考慮することを条件として,商標により与えられる権利につき,記述上の用語の公正な使用等限定的な例外を定めることができる。[TRIPS17条]

  3. 加盟国は、繊維の意匠の保護を確保するための要件、特に、費用、審査又は公告に関する要件が保護を求め又は取得する機会を不当に害さないことを確保する。
    ⭕️ TRIPS25条2
    加盟国は,繊維の意匠の保護を確保するための要件,特に,費用,審査又は公告に関する要件が保護を求め又は取得する機会を不当に害さないことを確保する。加盟国は,意匠法又は著作権法によりそのような義務を履行することができる。[TRIPS25条2]

  4. 加盟国は、人又は動物の治療のための診断方法、治療方法及び外科的方法を特許の対象から除外することはできない。
    ❌ TRIPS27条3(a)
    加盟国は,また,次のものを特許の対象から除外することができる。
    (a) 人又は動物の治療のための診断方法,治療方法及び外科的方法[TRIPS27条3(a)]

  5. 加盟国は、知的所有権の保護の対象であって、その取引が知的所有権の侵害を伴うことを関係者が知るか又は知ることができる合理的な理由を有することとなる前に当該関係者により取得され又は注文されたものに関して、司法当局に対し、知的所有権を侵害しないことを当該関係者に命じる権限を与える義務を負う。
    ❌ TRIPS44条1
    司法当局は,当事者に対し,知的所有権を侵害しないこと,特に知的所有権を侵害する輸入物品の管轄内の流通経路への流入を通関後直ちに防止することを命じる権限を有する。加盟国は,保護の対象であって,その取引が知的所有権の侵害を伴うことを関係者が知るか又は知ることができる合理的な理由を有することとなる前に当該関係者により取得され又は注文されたものに関しては,当該権限を与える義務を負わない。[TRIPS44条1]

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