特許要件又は特許出願に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、正しいものは、いくつあるか。
ただし、特に文中に示した場合を除いて、特許出願は、外国語書面出願、国際出願に係る特許出願、特許出願の分割に係る新たな特許出願、出願の変更に係る特許出願又は実用新案登録に基づく特許出願ではなく、取下げ、放棄又は却下されておらず、査定又は審決が確定しておらず、設定の登録がされておらず、いかなる補正もされておらず、いかなる優先権の主張も伴わないものとする。
- 発明イは、特許を受ける権利を有する甲の意に反して日本国内において頒布された文書に記載されていた。当該文書が頒布された日から8月後、甲は発明イに公知技術αを付加した発明ロに係る特許出願Aをした。この場合、当該文書に記載された発明イに基づいて容易に発明ロをすることができたことは、特許出願Aについて、特許法第29条第2項(いわゆる進歩性)に基づく拒絶理由となる。
- 甲は、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に相当する書面を願書に添付した外国語書面出願Aをし、特許法第36条の2第2項本文に規定する期間内に、同項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文の提出をせず、同条第3項の規定による特許庁長官の通知を受けた。この場合、甲が、同条第4項に規定する期間内に、外国語要約書面を除く願書に添付したすべての書面についてその翻訳文を提出しなければ、外国語書面出願Aは取り下げられたものとみなされる。
- 特許出願の審査は、出願審査の請求をまって行うのが原則であるが、出願審査の請求がない場合であっても、例外的に審査を行うときがある。
- 特許出願Aの出願人甲が当該特許出願Aを審査する審査官乙の弟の配偶者である場合には、甲と乙の同居の有無にかかわらず、除斥の申立てがないときであっても、審査官乙は特許出願Aの審査から当然に除斥される。
- 出願公開の請求がされた場合、出願公開が行われる前に、拒絶をすべき旨の査定が確定したときであっても、必ず出願公開が行われる。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- なし
解答
2
解説
- 発明イは、特許を受ける権利を有する甲の意に反して日本国内において頒布された文書に記載されていた。当該文書が頒布された日から8月後、甲は発明イに公知技術αを付加した発明ロに係る特許出願Aをした。この場合、当該文書に記載された発明イに基づいて容易に発明ロをすることができたことは、特許出願Aについて、特許法第29条第2項(いわゆる進歩性)に基づく拒絶理由となる。
❌ 特30条1項
特許を受ける権利を有する者の意に反して第二十九条第一項各号のいずれかに該当するに至つた発明は、その該当するに至つた日から一年以内にその者がした特許出願に係る発明についての同項及び同条第二項の規定の適用については、同条第一項各号のいずれかに該当するに至らなかつたものとみなす。[特30条1項] - 甲は、明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書に相当する書面を願書に添付した外国語書面出願Aをし、特許法第36条の2第2項本文に規定する期間内に、同項に規定する外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文の提出をせず、同条第3項の規定による特許庁長官の通知を受けた。この場合、甲が、同条第4項に規定する期間内に、外国語要約書面を除く願書に添付したすべての書面についてその翻訳文を提出しなければ、外国語書面出願Aは取り下げられたものとみなされる。
❌ 特36条の2 5項
前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の第二項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は、同項本文に規定する期間の経過の時に取り下げられたものとみなす。[特36条の2 5項] - 特許出願の審査は、出願審査の請求をまって行うのが原則であるが、出願審査の請求がない場合であっても、例外的に審査を行うときがある。
❌ 特48条の2
特許出願の審査は、その特許出願についての出願審査の請求をまつて行なう。[特48条の2] - 特許出願Aの出願人甲が当該特許出願Aを審査する審査官乙の弟の配偶者である場合には、甲と乙の同居の有無にかかわらず、除斥の申立てがないときであっても、審査官乙は特許出願Aの審査から当然に除斥される。
⭕️ 特48条で準用する特139条2号
審判官は、次の各号のいずれかに該当するときは、その職務の執行から除斥される。
二 審判官が事件の当事者、参加人若しくは特許異議申立人の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族であるとき、又はあつたとき。[特139条2号] - 出願公開の請求がされた場合、出願公開が行われる前に、拒絶をすべき旨の査定が確定したときであっても、必ず出願公開が行われる。
⭕️ 特64条の2 2項、方式審査便覧54.51
出願公開の請求は、取り下げることができない。[特64条の2 2項]