資格部

資格・検定の試験情報、対策方法、問題解説などをご紹介

弁理士 特許・実用新案 R3-15

 

 特許権及び特許法に規定する実施権等に関し、次の(イ)〜(ニ)のうち、正しいものは、いくつあるか。

  1. 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、その持分を目的として質権を設定し、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができないが、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
  2. すべての通常実施権は、特許権者の承諾があれば移転することができる。
  3. 特許権を目的とする質権は、特許権の対価又は特許発明の実施に対しその特許権者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行うことができる。
  4. 専用実施権者は、質権者又は特許法第77条第4項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得れば、専用実施権を常に放棄することができる。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
  5. なし

解答・解説

解答

 3

解説

  1. 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、その持分を目的として質権を設定し、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができないが、契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
    ⭕️ 特73条1項・2項・3項
    特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。
    2 特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。
    3 特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。[特73条1項・2項・3項]

  2. すべての通常実施権は、特許権者の承諾があれば移転することができる。
    ❌ 特94条3項・4項・5項
    3 第八十三条第二項又は前条第二項の裁定による通常実施権は、実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。
    4 第九十二条第三項、実用新案法第二十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該特許権、実用新案権又は意匠権が実施の事業とともに移転したときはこれらに従つて移転し、その特許権、実用新案権又は意匠権が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する。
    5 第九十二条第四項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該特許権、実用新案権又は意匠権に従つて移転し、その特許権、実用新案権又は意匠権が消滅したときは消滅する。[特94条3項・4項・5項]

  3. 特許権を目的とする質権は、特許権の対価又は特許発明の実施に対しその特許権者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行うことができる。
    ⭕️ 特96条
    特許権、専用実施権又は通常実施権を目的とする質権は、特許権、専用実施権若しくは通常実施権の対価又は特許発明の実施に対しその特許権者若しくは専用実施権者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行うことができる。ただし、その払渡又は引渡前に差押をしなければならない。[特96条]

  4. 専用実施権者は、質権者又は特許法第77条第4項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得れば、専用実施権を常に放棄することができる。
    ⭕️ 特97条2項
    専用実施権者は、質権者又は第七十七条第四項の規定による通常実施権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、その専用実施権を放棄することができる。[特97条2項]

前問 一覧 次問