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弁理士 特許・実用新案 R3-12

 

 特許法に規定する再審に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。

  1. 特許権者は、その特許権について専用実施権を設定し、その登録をした。その後、特許権者は、第三者が請求した特許無効審判において当該第三者と共謀し、専用実施権者の権利を害する目的をもって特許を無効にすべき旨の審決を受け、それが確定した。この場合、当該専用実施権者は、その確定審決に対し再審の請求をすることができる。
  2. 確定審決に対する再審の請求は、当該再審の請求人が送達により審決があったことを知った日の翌日から起算して30日以内にしなければならない。ただし、当該再審の請求人は法律の規定に従って代理されていたものとする。
  3. 特許無効審判の確定審決に対する再審においては、当該再審の請求人が申し立てない理由についても、審理することができる。
  4. 無効にした特許に係る特許権が再審により回復した場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、特許無効の審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
  5. 万年筆の製造方法に関する特許が無効になり、その特許に係る特許権が再審によって回復した場合において、特許無効の審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該万年筆の製造方法を事業として実施していた者は、その特許権について通常実施権を有し、特許権の回復後も引き続いて当該万年筆を製造することができる場合がある。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
  5. なし

解答・解説

解答

 2

解説

  1. 特許権者は、その特許権について専用実施権を設定し、その登録をした。その後、特許権者は、第三者が請求した特許無効審判において当該第三者と共謀し、専用実施権者の権利を害する目的をもって特許を無効にすべき旨の審決を受け、それが確定した。この場合、当該専用実施権者は、その確定審決に対し再審の請求をすることができる。
    ⭕️ 特172条1項、特98条1項2号
    審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。[特172条1項]
    次に掲げる事項は、登録しなければ、その効力を生じない。
    二 専用実施権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)、変更、消滅(混同又は特許権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限[特98条1項2号]

  2. 確定審決に対する再審の請求は、当該再審の請求人が送達により審決があったことを知った日の翌日から起算して30日以内にしなければならない。ただし、当該再審の請求人は法律の規定に従って代理されていたものとする。
    ❌ 特173条1項
    再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。[特173条1項]

  3. 特許無効審判の確定審決に対する再審においては、当該再審の請求人が申し立てない理由についても、審理することができる。
    ❌ 特174条3項で特153条の準用なし
    審判においては、当事者又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。[特153条]

  4. 無効にした特許に係る特許権が再審により回復した場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、特許無効の審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。
    ⭕️ 特175条1項
    取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復した場合又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつた場合において、その特許が物の発明についてされているときは、特許権の効力は、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。[特175条1項]

  5. 万年筆の製造方法に関する特許が無効になり、その特許に係る特許権が再審によって回復した場合において、特許無効の審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該万年筆の製造方法を事業として実施していた者は、その特許権について通常実施権を有し、特許権の回復後も引き続いて当該万年筆を製造することができる場合がある。
    ⭕️ 特176条
    取り消し、若しくは無効にした特許に係る特許権若しくは無効にした存続期間の延長登録に係る特許権が再審により回復したとき、又は拒絶をすべき旨の審決があつた特許出願若しくは特許権の存続期間の延長登録の出願について再審により特許権の設定の登録若しくは特許権の存続期間を延長した旨の登録があつたときは、当該取消決定又は審決が確定した後再審の請求の登録前に善意に日本国内において当該発明の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者は、その実施又は準備をしている発明及び事業の目的の範囲内において、その特許権について通常実施権を有する。[特176条]

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