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弁理士 特許・実用新案 R3-11

 

 特許法若しくは実用新案法に規定する訴訟又は特許料に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

  1. 拒絶査定不服審判の請求を成り立たないとする審決に対する取消訴訟において、その審決を取り消す判決が確定したときは、審判官は、更に審理を行い、審決をしなければならないが、特許を取り消すべき旨の決定に対する取消訴訟において、その決定を取り消す判決が確定したときは、審判官により更に審理が行われることなく、その特許が維持される。
  2. 実用新案登録無効審判の審決に対する取消訴訟においては、裁判所は、特許庁長官に対し、当該事件に関する実用新案法の適用その他の必要な事項について、意見を求めることはできない。
  3. 請求項1及び請求項2からなる特許につき、請求項1の削除を目的とする訂正審判の請求がなされ、訂正をすべき旨の審決が確定したとき、既納の特許料のうち、訂正をすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料の一部は、納付した者の請求により返還する。
  4. 通常実施権者が、特許権者の了解を得て特許料を納付した場合、特許権者に対して、費用のすべてについて償還を請求することができる。
  5. 第4年以後の各年分の特許料について、免除又は納付の猶予を受けていない特許権者が、特許料を納付期間内に納付しなかった場合において、納付期間の経過後6月以内に特許料及び割増特許料の納付をしたときでも、納付期間の経過から特許料及び割増特許料の納付までの間におけるその特許発明の実施には、特許権の効力は及ばない。

解答・解説

解答

 4

解説

  1. 拒絶査定不服審判の請求を成り立たないとする審決に対する取消訴訟において、その審決を取り消す判決が確定したときは、審判官は、更に審理を行い、審決をしなければならないが、特許を取り消すべき旨の決定に対する取消訴訟において、その決定を取り消す判決が確定したときは、審判官により更に審理が行われることなく、その特許が維持される。
    ❌ 特181条2項
    審判官は、前項の規定による審決又は決定の取消しの判決が確定したときは、更に審理を行い、審決又は決定をしなければならない。この場合において、審決又は決定の取消しの判決が、第百二十条の五第二項又は第百三十四条の二第一項の訂正の請求がされた一群の請求項のうち一部の請求項について確定したときは、審判官は、審理を行うに際し、当該一群の請求項のうちその他の請求項についての審決又は決定を取り消さなければならない。[特181条2項]

  2. 実用新案登録無効審判の審決に対する取消訴訟においては、裁判所は、特許庁長官に対し、当該事件に関する実用新案法の適用その他の必要な事項について、意見を求めることはできない。
    ❌ 実47条2項で準用する特180条の2 1項
    裁判所は、第百七十九条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、特許庁長官に対し、当該事件に関するこの法律の適用その他の必要な事項について、意見を求めることができる。[特180条の2 1項]

  3. 請求項1及び請求項2からなる特許につき、請求項1の削除を目的とする訂正審判の請求がなされ、訂正をすべき旨の審決が確定したとき、既納の特許料のうち、訂正をすべき旨の審決が確定した年の翌年以後の各年分の特許料の一部は、納付した者の請求により返還する。
    ❌ 特111条1項
    既納の特許料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。[特111条1項]

  4. 通常実施権者が、特許権者の了解を得て特許料を納付した場合、特許権者に対して、費用のすべてについて償還を請求することができる。
    ⭕️ 特110条
    利害関係人その他の特許料を納付すべき者以外の者は、納付すべき者の意に反しても、特許料を納付することができる。[特110条]

  5. 第4年以後の各年分の特許料について、免除又は納付の猶予を受けていない特許権者が、特許料を納付期間内に納付しなかった場合において、納付期間の経過後6月以内に特許料及び割増特許料の納付をしたときでも、納付期間の経過から特許料及び割増特許料の納付までの間におけるその特許発明の実施には、特許権の効力は及ばない。
    ❌ 特112条の3 2項1号
    前条第二項の規定により回復した特許権の効力は、第百十二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。
    一 当該発明の実施[特112条の3 2項1号]

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