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弁理士 特許・実用新案 R3-4

 

 審決等に対する訴えに関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。

  1. 拒絶査定不服審判の請求と同時に、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正をした場合において、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものでないとして当該補正が決定により却下されたとき、当該決定について不服のある審判請求人は、東京高等裁判所に、補正の却下の決定に対する訴えを提起することができる。
  2. 複数の者が共同して請求した特許無効審判につき、請求は成り立たない旨の審決がされた場合、当該審決に対する取消訴訟は、その特許無効審判の請求をした者の全員が共同して提起しなければならない。
  3. 特許無効審判の請求に対し、不適法な審判の請求であってその補正をすることができないものであることを理由に、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、請求を却下する審決がなされた場合、請求人は、審決取消訴訟を提起するに当たって、被請求人ではなく特許庁長官を被告としなければならない。
  4. 特許庁長官は、特許無効審判の審決に対し取消訴訟が提起された旨の通知を裁判所から受けたときは、審判手続の記録を裁判所に送付しなければならない。
  5. 特許出願に対し、当該特許出願前に公知事実Aによって公然知られた発明であることのみを理由とする拒絶をすべき旨の査定がなされ、これに対する拒絶査定不服審判の請求を成り立たないとする審決がなされた場合、この審決に対する取消訴訟において、裁判所が、上記公知事実Aとは異なる公知事実Bによって公然知られた発明であるという拒絶の理由を発見したときは、当該拒絶の理由に関する主張立証の機会を当事者に与えた上であれば、当該拒絶の理由により、請求棄却の判決をすることができる。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
  5. 5つ

解答・解説

解答

 5

解説

  1. 拒絶査定不服審判の請求と同時に、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正をした場合において、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものでないとして当該補正が決定により却下されたとき、当該決定について不服のある審判請求人は、東京高等裁判所に、補正の却下の決定に対する訴えを提起することができる。
    ❌ 特159条1項で準用する特53条3項、特178条
    第一項の規定による却下の決定に対しては、不服を申し立てることができない。ただし、拒絶査定不服審判を請求した場合における審判においては、この限りでない。[特53条3項]
    取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。[特178条]

  2. 複数の者が共同して請求した特許無効審判につき、請求は成り立たない旨の審決がされた場合、当該審決に対する取消訴訟は、その特許無効審判の請求をした者の全員が共同して提起しなければならない。
    ❌ 特178条1項
    取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。[特178条1項]

  3. 特許無効審判の請求に対し、不適法な審判の請求であってその補正をすることができないものであることを理由に、被請求人に答弁書を提出する機会を与えないで、請求を却下する審決がなされた場合、請求人は、審決取消訴訟を提起するに当たって、被請求人ではなく特許庁長官を被告としなければならない。
    ❌ 特179条
    前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。[特179条]

  4. 特許庁長官は、特許無効審判の審決に対し取消訴訟が提起された旨の通知を裁判所から受けたときは、審判手続の記録を裁判所に送付しなければならない。
    ❌ 特180条1項
    裁判所は、前条ただし書に規定する訴えの提起があつたときは、遅滞なく、その旨を特許庁長官に通知しなければならない。[特180条1項]

  5. 特許出願に対し、当該特許出願前に公知事実Aによって公然知られた発明であることのみを理由とする拒絶をすべき旨の査定がなされ、これに対する拒絶査定不服審判の請求を成り立たないとする審決がなされた場合、この審決に対する取消訴訟において、裁判所が、上記公知事実Aとは異なる公知事実Bによって公然知られた発明であるという拒絶の理由を発見したときは、当該拒絶の理由に関する主張立証の機会を当事者に与えた上であれば、当該拒絶の理由により、請求棄却の判決をすることができる。
    ❌ 特181条1項
    裁判所は、第百七十八条第一項の訴えの提起があつた場合において、当該請求を理由があると認めるときは、当該審決又は決定を取り消さなければならない。[特181条1項]

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