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弁理士 商標 R4-9

 

 商標の審判等に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

  1. 商標法第53条の2の審判(代理人等の不正登録による商標登録の取消しの審判)において、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、その後消滅する。
  2. 商標登録が条約に違反してされたとき、及び商標登録がその商標登録出願により生じた権利を承継しない者の商標登録出願に対してされたときは、いずれも登録異議の申立ての理由及び商標登録の無効の審判の請求の理由となる。
  3. 商標登録の無効の審判においては、請求の理由の要旨を変更する補正は一切認めらない。
  4. 拒絶査定に対する審判において、当該審判の請求を理由があるとする場合であって、政令で定める期間内に原査定の理由と異なる拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の審決をしなければならないが、さらに審査に付すべき旨の審決をするときは、この限りでない。
  5. 商標権が移転された結果、類似の商品について使用をする類似の登録商標に係る商標権が異なった商標権者に属することとなった場合において、その一の登録商標に係る商標権者が不正競争の目的で指定商品についての登録商標の使用であって他の登録商標に係る通常使用権者の業務に係る商品と混同を生ずるものをしたときは、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるが、当該使用の事実がなくなった日から5年を経過した後は、請求することができない。

解答・解説

解答

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解説

  1. 商標法第53条の2の審判(代理人等の不正登録による商標登録の取消しの審判)において、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、その後消滅する。
    ⭕️ 商54条1項
    商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、その後消滅する。[商54条1項]

  2. 商標登録が条約に違反してされたとき、及び商標登録がその商標登録出願により生じた権利を承継しない者の商標登録出願に対してされたときは、いずれも登録異議の申立ての理由及び商標登録の無効の審判の請求の理由となる。
    ❌ 商43条の2 2号、商46条1項2号・4号
    何人も、商標掲載公報の発行の日から二月以内に限り、特許庁長官に、商標登録が次の各号のいずれかに該当することを理由として登録異議の申立てをすることができる。この場合において、二以上の指定商品又は指定役務に係る商標登録については、指定商品又は指定役務ごとに登録異議の申立てをすることができる。
    二 その商標登録が条約に違反してされたこと。[商43条の2 2号]
    商標登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その商標登録を無効にすることについて審判を請求することができる。この場合において、商標登録に係る指定商品又は指定役務が二以上のものについては、指定商品又は指定役務ごとに請求することができる。
    二 その商標登録が条約に違反してされたとき。
    四 その商標登録がその商標登録出願により生じた権利を承継しない者の商標登録出願に対してされたとき。[商46条1項2号・4号]

  3. 商標登録の無効の審判においては、請求の理由の要旨を変更する補正は一切認めらない。
    ⭕️ 商56条1項で読替準用する特131条の2 1項1号
    前条第一項の規定により提出した請求書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、当該補正が次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
    一 特許無効審判以外の審判を請求する場合における前条第一項第三号に掲げる請求の理由についてされるとき。[特131条の2 1項1号]

  4. 拒絶査定に対する審判において、当該審判の請求を理由があるとする場合であって、政令で定める期間内に原査定の理由と異なる拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の審決をしなければならないが、さらに審査に付すべき旨の審決をするときは、この限りでない。
    ⭕️ 商55条の2 2項、商16条
    第十六条の規定は、第四十四条第一項の審判の請求を理由があるとする場合に準用する。ただし、第五十六条第一項において準用する特許法第百六十条第一項の規定によりさらに審査に付すべき旨の審決をするときは、この限りでない。[商55条の2 2項]
    審査官は、政令で定める期間内に商標登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の査定をしなければならない。[商16条]

  5. 商標権が移転された結果、類似の商品について使用をする類似の登録商標に係る商標権が異なった商標権者に属することとなった場合において、その一の登録商標に係る商標権者が不正競争の目的で指定商品についての登録商標の使用であって他の登録商標に係る通常使用権者の業務に係る商品と混同を生ずるものをしたときは、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができるが、当該使用の事実がなくなった日から5年を経過した後は、請求することができない。
    ⭕️ 商52条の2 1項・2項、商52条
    商標権が移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者が不正競争の目的で指定商品又は指定役務についての登録商標の使用であつて他の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。
    2 第五十一条第二項及び前条の規定は、前項の審判に準用する。[商52条の2 1項・2項]
    前条第一項の審判は、商標権者の同項に規定する商標の使用の事実がなくなつた日から五年を経過した後は、請求することができない。[商52条]

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