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弁理士 商標 R4-5

 

 商標権の効力等に関し、次の(イ)〜(ホ)のうち、誤っているものは、いくつあるか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

  1. 商標権者は、自己の商標権に係る指定商品に類似する商品について登録商標を使用できない場合がある。
  2. 登録商標が、査定時は指定商品についての普通名称ではなかったものの、その後に当該指定商品の普通名称となった場合、他人が当該指定商品について当該登録商標を普通に用いられる方法で表示する行為をしても、当該登録商標に係る商標権の効力は当該行為には及ばない。
  3. 商標権の効力は、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(平成26年法律第84号。以下「GI法」という。)第3条第1項の規定によりGI法第6条の登録に係るGI法第2条第2項に規定する特定農林水産物等又はその包装に同条第3項に規定する表示(地理的表示)を付する行為に及ぶ場合がある。
  4. 防護標章登録に基づく権利の効力は、登録防護標章に類似する標章であって、色彩を当該登録防護標章と同一にするものとすれば当該登録防護標章と同一の標章であると認められる標章を、当該防護標章登録に係る指定商品又は指定役務について使用する行為に及ばない場合がある。
  5. 防護標章登録に基づく権利の効力については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ
  5. なし

解答・解説

解答

 5

解説

  1. 商標権者は、自己の商標権に係る指定商品に類似する商品について登録商標を使用できない場合がある。
    ⭕️ 商25条、商37条
    商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する。ただし、その商標権について専用使用権を設定したときは、専用使用権者がその登録商標の使用をする権利を専有する範囲については、この限りでない。[商25条]
    次に掲げる行為は、当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。[商37条]

  2. 登録商標が、査定時は指定商品についての普通名称ではなかったものの、その後に当該指定商品の普通名称となった場合、他人が当該指定商品について当該登録商標を普通に用いられる方法で表示する行為をしても、当該登録商標に係る商標権の効力は当該行為には及ばない。
    ⭕️ 商26条1項2号
    商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
    二 当該指定商品若しくはこれに類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又は当該指定商品に類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する商標[商26条1項2号]

  3. 商標権の効力は、特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(平成26年法律第84号。以下「GI法」という。)第3条第1項の規定によりGI法第6条の登録に係るGI法第2条第2項に規定する特定農林水産物等又はその包装に同条第3項に規定する表示(地理的表示)を付する行為に及ぶ場合がある。
    ⭕️ 商26条3項1号
    商標権の効力は、次に掲げる行為には、及ばない。ただし、その行為が不正競争の目的でされない場合に限る。
    一 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(平成二十六年法律第八十四号。以下この項において「特定農林水産物等名称保護法」という。)第三条第一項(特定農林水産物等名称保護法第三十条において読み替えて適用する場合を含む。次号及び第三号において同じ。)の規定により特定農林水産物等名称保護法第六条の登録に係る特定農林水産物等名称保護法第二条第二項に規定する特定農林水産物等(当該登録に係る特定農林水産物等を主な原料又は材料として製造され、又は加工された同条第一項に規定する農林水産物等を含む。次号及び第三号において「登録に係る特定農林水産物等」という。)又はその包装に同条第三項に規定する地理的表示(次号及び第三号において「地理的表示」という。)を付する行為[商26条3項1号]

  4. 防護標章登録に基づく権利の効力は、登録防護標章に類似する標章であって、色彩を当該登録防護標章と同一にするものとすれば当該登録防護標章と同一の標章であると認められる標章を、当該防護標章登録に係る指定商品又は指定役務について使用する行為に及ばない場合がある。
    ⭕️ 商70条2項・4項
    2 第四条第一項第十二号又は第六十七条における「登録防護標章」には、その登録防護標章に類似する標章であつて、色彩を登録防護標章と同一にするものとすれば登録防護標章と同一の標章であると認められるものを含むものとする。
    4 前三項の規定は、色彩のみからなる登録商標については、適用しない。[商70条2項・4項]

  5. 防護標章登録に基づく権利の効力については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
    ⭕️ 商68条3項で準用する商28条
    商標権の効力については、特許庁に対し、判定を求めることができる。[商28条]

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