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弁理士 商標 R4-2

 

 商標法第2条に規定する標章の使用に関し、次のうち、誤っているものは、どれか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

  1. 甲は、指定商品を「電子計算機用プログラム」とする登録商標「ロハニ」の商標権者であるところ、当該電子計算機用プログラムのコードデータに「ロハニ」の文字列を組み込んで販売した。なお、当該電子計算機用プログラムを実行したときの電子計算機のディスプレイ上には「ロハニ」の文字列は表示されず視認されない。甲の当該販売行為は登録商標「ロハニ」の使用に該当しない場合がある。
  2. 甲は、指定商品を「被服」とする音の登録商標の商標権者である。甲は被服の電子カタログをDVDにより頒布しており、当該電子カタログの一部のページは当該音の登録商標を発する仕様になっている。甲の当該頒布行為は当該音の登録商標の使用に該当する場合はない。
  3. 甲は、指定商品を「雑誌」とする登録商標イの商標権者である。甲は登録商標イを付した雑誌を無償で配布し、当該雑誌に掲載された広告から収入を得ている。甲の当該配布行為は登録商標イの使用に該当する場合がある。
  4. 甲は、指定商品を「雑誌,録画済みビデオディスク」とする登録商標ロの商標権者である。甲は、登録商標ロを付した録画済みビデオディスクを製造し、販売しているところ、当該録画済みビデオディスクのノベルティ(販促品)として、当該録画済みビデオディスクの内容に関する記事を掲載した雑誌に登録商標ロを付して無償で配布している。甲の当該雑誌の配布行為は登録商標ロの指定商品「雑誌」についての使用に該当しない場合がある。
  5. 甲は、指定商品を「電子出版物」とする登録商標ハの商標権者である。甲は、登録商標ハを付した電子出版物をダウンロードさせずにオンライン上で有償提供している。甲の当該提供行為は登録商標ハの使用に該当する場合はない。

解答・解説

解答

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解説

  1. 甲は、指定商品を「電子計算機用プログラム」とする登録商標「ロハニ」の商標権者であるところ、当該電子計算機用プログラムのコードデータに「ロハニ」の文字列を組み込んで販売した。なお、当該電子計算機用プログラムを実行したときの電子計算機のディスプレイ上には「ロハニ」の文字列は表示されず視認されない。甲の当該販売行為は登録商標「ロハニ」の使用に該当しない場合がある。
    ⭕️ 商2条3項1号
    この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
    一 商品又は商品の包装に標章を付する行為[商2条3項1号]

  2. 甲は、指定商品を「被服」とする音の登録商標の商標権者である。甲は被服の電子カタログをDVDにより頒布しており、当該電子カタログの一部のページは当該音の登録商標を発する仕様になっている。甲の当該頒布行為は当該音の登録商標の使用に該当する場合はない。
    ❌ 商2条4項2号、商2条3項8号
    前項において、商品その他の物に標章を付することには、次の各号に掲げる各標章については、それぞれ当該各号に掲げることが含まれるものとする。
    二 音の標章 商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告に記録媒体が取り付けられている場合(商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告自体が記録媒体である場合を含む。)において、当該記録媒体に標章を記録すること。[商2条4項2号]
    この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
    八 商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為[商2条3項8号]

  3. 甲は、指定商品を「雑誌」とする登録商標イの商標権者である。甲は登録商標イを付した雑誌を無償で配布し、当該雑誌に掲載された広告から収入を得ている。甲の当該配布行為は登録商標イの使用に該当する場合がある。
    ⭕️ 東京メトロ事件


  4. 甲は、指定商品を「雑誌,録画済みビデオディスク」とする登録商標ロの商標権者である。甲は、登録商標ロを付した録画済みビデオディスクを製造し、販売しているところ、当該録画済みビデオディスクのノベルティ(販促品)として、当該録画済みビデオディスクの内容に関する記事を掲載した雑誌に登録商標ロを付して無償で配布している。甲の当該雑誌の配布行為は登録商標ロの指定商品「雑誌」についての使用に該当しない場合がある。
    ⭕️ BOSS事件


  5. 甲は、指定商品を「電子出版物」とする登録商標ハの商標権者である。甲は、登録商標ハを付した電子出版物をダウンロードさせずにオンライン上で有償提供している。甲の当該提供行為は登録商標ハの使用に該当する場合はない。
    ⭕️ 商2条3項7号
    この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
    七 電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号及び第二十六条第三項第三号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為[商2条3項7号]

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