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弁理士 商標 R1-9

 

 商標の審判に関し、次のうち、正しいものは、どれか。
 ただし、マドリッド協定の議定書に基づく特例は考慮しないものとする。

  1. 拒絶査定に対する審判係属中に指定商品若しくは指定役務又は商標登録を受けようとする商標が補正され、当該補正に対して補正の却下の決定がされた場合、請求人は、これに不服があるときは、その決定の謄本の送達があった日から3月以内に審判を請求することができる。
  2. 登録商標が、その商標登録がされた後、商標登録の無効の審判の請求時までに、地方公共団体を表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標に該当するものとなっているときは、それを理由として当該審判を請求することができる。
  3. 商標法第51条第1項の審判(商標権者の不正使用による商標登録の取消しの審判)及び商標法第53条第1項の審判(使用権者の不正使用による商標登録の取消しの審判)において、商標登録に係る指定商品又は指定役務が2以上のものについては、その一部の指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。
  4. 商標権者が、指定商品について、登録商標(色彩のみからなる登録商標を除く。以下本枝において同様とする。)に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを使用して、故意に他人の業務に係る商品と混同を生じさせたとしても、商標法第51条第1項の審判(商標権者の不正使用による商標登録の取消しの審判)により、当該商標登録が取り消されることはない。
  5. 商標登録の取消しの審判の審決に対しての訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とし、特許庁長官を被告としなければならない。

解答・解説

解答

 4

解説

  1. 拒絶査定に対する審判係属中に指定商品若しくは指定役務又は商標登録を受けようとする商標が補正され、当該補正に対して補正の却下の決定がされた場合、請求人は、これに不服があるときは、その決定の謄本の送達があった日から3月以内に審判を請求することができる。
    ❌ 商63条1項
    取消決定又は審決に対する訴え、第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する第十六条の二第一項の規定による却下の決定に対する訴え及び登録異議申立書又は審判若しくは再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。[商63条1項]

  2. 登録商標が、その商標登録がされた後、商標登録の無効の審判の請求時までに、地方公共団体を表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標に該当するものとなっているときは、それを理由として当該審判を請求することができる。
    ❌ 商46条1項6号
    商標登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その商標登録を無効にすることについて審判を請求することができる。この場合において、商標登録に係る指定商品又は指定役務が二以上のものについては、指定商品又は指定役務ごとに請求することができる。
    六 商標登録がされた後において、その登録商標が第四条第一項第一号から第三号まで、第五号、第七号又は第十六号に掲げる商標に該当するものとなつているとき。[商46条1項6号]

  3. 商標法第51条第1項の審判(商標権者の不正使用による商標登録の取消しの審判)及び商標法第53条第1項の審判(使用権者の不正使用による商標登録の取消しの審判)において、商標登録に係る指定商品又は指定役務が2以上のものについては、その一部の指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。
    ❌ 商51条、商53条
    商標権者が故意に指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用であつて商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。[商51条]
    専用使用権者又は通常使用権者が指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についての登録商標又はこれに類似する商標の使用であつて商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、当該商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。ただし、当該商標権者がその事実を知らなかつた場合において、相当の注意をしていたときは、この限りでない。[商53条]

  4. 商標権者が、指定商品について、登録商標(色彩のみからなる登録商標を除く。以下本枝において同様とする。)に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを使用して、故意に他人の業務に係る商品と混同を生じさせたとしても、商標法第51条第1項の審判(商標権者の不正使用による商標登録の取消しの審判)により、当該商標登録が取り消されることはない。
    ⭕️ 商70条1項・3項
    第二十五条、第二十九条、第三十条第二項、第三十一条第二項、第三十一条の二第一項、第三十四条第一項、第三十八条第一項第二号若しくは第三項から第五項まで、第五十条、第五十二条の二第一項、第五十九条第一号、第六十四条、第七十三条又は第七十四条における「登録商標」には、その登録商標に類似する商標であつて、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを含むものとする。
    3 第三十七条第一号又は第五十一条第一項における「登録商標に類似する商標」には、その登録商標に類似する商標であつて、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを含まないものとする。[商70条1項・3項]

  5. 商標登録の取消しの審判の審決に対しての訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とし、特許庁長官を被告としなければならない。
    ❌ 商63条2項で準用する特179条
    前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。[特179条]

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